Appleのパソコンユーザーといえば、ウイルス知らず。
「Macだから大丈夫」と、インターネットの世界を長年自由に泳いできました。
…それ、もう都市伝説らしいよ。
Macを狙ったマルウェア急増
長年いわれてきたMac大丈夫論。Appleもこれを表立って否定してきませんでした。
Appleのファームウェアウイルスが初めに発見されたのは2015年。その後、2020年にはMacを狙ったマルウェアは4倍に。2021年には、2万9000台のMacがマルウェア攻撃にあいました。
ここ10年、Macのウイルスリスクは急激に上がってきているのです。
「Mac大丈夫」のはじまり
Macの広告で大ヒットしたものの1つに、MacとPCがあります。MacとWindowsパソコンを擬人化した広告「Get a Mac」は、6年ほど続いた人気シリーズ。ジャスティン・ロングさんがMacを、ジョン・ホッジマンさんがPCを演じました。日本版ではラーメンズが起用されていましたね。
その中で、PCが「ウイルスにかかっちゃって…」とくしゃみしながらフラフラするエピソードがありました。「うつっちゃうから離れた方がいい」というPCに、Macは「僕は大丈夫だから」と応答。
このウイルスエピソードで、11万4000ものウイルスに感染してクラッシュしたPCとウイルスフリーで元気なMacという構図が確立。
Apple公式ウェブサイトでも、macはウイルスにかからないと2012年までうたわれていたのです。2012年にウイルスにかからないのフレーズは削除され、安全な作りという言い回しに変更されました。
昔は本当にかからなかった
実際、昔は実際にMacはウイルスにかからないのが一般的でした。前述の通り2015年頃までは…。
かからなかったのは、Macのウイルス対策が優れていたからではありません。世界におけるMacの台数、シェアが、当時、圧倒的に少なかったからです。
2013年、世界のコンピューターの9割以上がWindowsパソコンでした。Macユーザーはたったの8%。Get a Macの広告が流れていた2006年は、さらにMacのシェアは少なかったはず。数がものをいうコンピューターウイルスにおいて、Macの存在はハッカーの眼中にはなかったのです。
時は流れ現在、Macの世界シェアは2割ほど。2割あればハッカーも目を向けます。結果、今日ではMacのウイルス感染も一般的になってきました。
適切なウイルス対策を
Apple自らの広告からはじまった、macは大丈夫論。それを払拭するために「もう大丈夫じゃないよ」なんて広告、まさかやるわけありませんよね。
AppleのMacOSユーザガイドには、今や立派に「Macをマルウェアから保護する」のページがあります。
もし、2024年現在もまだ「Macだから大丈夫」と言っている人がいたら教えてあげましょう。それ、2006年の話で今やもう都市伝説になってるよって。