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Unityが利用規約の変更を記録するGitHubリポジトリをひっそり削除していたことが判明


インストール数に応じた料金の支払いを求める新価格体系「Unity Runtime Fee」で物議を醸しているUnityが、過去の利用規約を記録するGitHubのリポジトリを削除し、その後に利用規約の一部を更新していたと指摘されています。かつての規約では新価格体系を拒否することが可能だったのですが、更新により回避できなくなりました。

Unity Silently Deletes GitHub Repo that Tracks Terms of Service Changes and Updated Its License  - GamerBraves
https://www.gamerbraves.com/unity-silently-deletes-github-repo-that-tracks-terms-of-service-changes-and-updated-its-license/

問題のリポジトリは、Unityを開発するUnity Technologiesが2019年に公開したものです。ここにはUnity使用時に適用される利用規約の歴代バージョンが記録されていて、誰でも閲覧することが可能でした。記事作成時点では削除されており、ウェブアーカイブを通じてのみ閲覧することができます。


ウェブアーカイブの記録により、このリポジトリは2022年7月16日以降に削除されたことがわかっています。

2018年、Unityは利用規約に以下のような条項を追加していました。

・更新された規約がお客様の権利に不利な影響を与える場合、お客様は、更新された規約の直前に適用されていた規約に従って、Unityソフトウェアの現行年バージョン(例えば、2018.xおよび2018.y、およびその現行年リリースの長期サポートバージョン)の使用を継続することを選択できます
・その後、お客様がUnityソフトウェアの翌年バージョン(例えば2019.4から2020.1)にアップデートしない限り、更新された規約はお使いのバージョンの使用には適用されません

つまり、たとえ規約が更新されたとしても、ユーザーは「規約更新前のソフトウェア」を使い続けることで、新しい規約を回避することができたのです。


しかし、2023年4月3日にUnityは再び利用規約を更新し、前述の条項を削除しました。

リポジトリの開設動機が「いつどのような変更が行われるかについて開発者に完全な透明性を提供すること」と明言されていただけに、リポジトリを削除した上で規約を更新するというUnityの対応はユーザーの不信感を募らせました。

オンライン掲示板のRedditでは「『完全な透明性』という以前の発表を無視しています。Unityは新価格体系の導入にあたり『私たちが用意する悪用対策法を信頼してほしい』という姿勢を見せていますが、こんなことをしておいて、どうやったら信頼できるんでしょうか?」というコメントが交わされています。

Unity silently removed their Github repo to track license changes, then updated their license to remove the clause that lets you use the TOS from the version you shipped with, then insists games already shipped need to pay the new fees.
byu/Darkfrost ingamedev


新価格体系に関しては、Unityの関係者が公の場で発したメッセージに矛盾が生じており、さらなる混乱を招く事態に発展しています。2023年9月14日にUnityは公式フォーラムの文言を修正し、これまで「同一ユーザーによる複数回のインストールは複数のインストール回数としてカウントする」と案内していた文を訂正し、「カウントしない」と改めました。

また、「遡及(そきゅう)してカウントされるのか」という疑問については、Unity Runtime Feeが適用されるしきい値(過去12カ月の収益が20万ドル(約2950万円)を超えた場合かつインストール回数が20万回を超えた場合)については遡及して適用対象となるかを確認し、インストール回数のカウントについては2024年1月1日から始めると説明しました。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1p_kr

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