サポートセンターでChatGPT導入してみた結果…

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サポートセンターでChatGPT導入してみた結果…
Image: Shutterstock

テクノロジーとの共存。

全米労働者の8割が何らかの影響を受けるといわれているAIモデルChatGPT。

8割の労働者に影響あり。AIが労働市場に与える影響を検証した論文が公開

大多数が何らかの影響を受けます。先日、コーネル大学が大規模言語モデル(LLMs)が労働市場に与える影響についてのレポートを公開しました。ChatGPTの台頭で...

https://www.gizmodo.jp/2023/03/openai-ai-chatbot-coding-writers-jobs.html

お客様相談室やカスタマーサポート、通称サポセンにAIチャットbotを導入したらどうなるのか、最新調査が公開されました。生産性は14%上がったとのことですが、AIによる恩恵を受けるのはスタッフの能力によってかなり差があることもわかりました。

レポートは、フォーチュン500入りの企業(企業名は明らかにされておらず)のサポセンスタッフ約5,179人を調査したもので、その多くはフィリピン在住。

アシスタントとして提供されたのは、OpenAIの大規模言語モデルGPT(GPT-3か4か明記されておらず)。

生産性の指標は、顧客の対応をどれほどスピーディーに解決できたか、1時間に何人対応できたかに基づいています。

ちなみに、AIは多様なタスクをこなすことができますが、今回の調査でサポセン業務が選ばれたのは、サポセン分野がAI導入率が最も高いからだそう。

新人ほどメリットが大きい

AI導入で最も恩恵を受けたのは、経験の浅いスタッフたち。AIを使うことで、対応スピードが35%アップしました。サポセン歴2カ月のスタッフは、AIアシスタントを使うことでサポセン歴6カ月の比較的慣れたスタッフと同等のパフォーマンスを発揮。

一方で、ベテランスタッフにおけるAI導入は、あまり大きな効果がなかったこともわかりました。理由は単純で、AIが提案してくれるちょっとした知識はティップスは、すでにベテランスタッフの頭に入っているようなことだから。

今回調査したサポセンの多くはソフトウェア企業で、製品理解と問題解決力、そして場合によっては怒ってクレームを入れてくる消費者への対応スキルが何よりも求められる仕事です。

調査によれば、AI導入前のトップクラスのベテランスタッフの問題解決スピードは、平均的なスタッフの約2倍。このベテランと新人の大きな差が、AI導入によって著しく縮小します。

AIモデル自体がベテランサポセン先輩のやりとりからトレーニングを受けていることから、言い換えれば、AIはトップクラスのベテランと新人の架け橋として有益なツールともいえます。新人のパフォーマンス底上げは、会社全体のパフォーマンス向上につながります。

一方で、懸念されるのはAI導入で恩恵に差があるということ。ベテラン勢=経験豊富で成績のいいスタッフほど、AI導入によって不利な立場になるのではないかと懸念されます。

ベテランスタッフの経験、知識から、AIは学び、それを新人サポートに役立てている。ひいては会社全体のパフォーマンスを上げていると考えれば、将来的にはベテラン勢の給料を上げていく方針も必要だと、レポートでは助言されています。

これはサポセンだけでなく、AIトレーニングの縁の下の力持ちをやっているすべての人たちに関わる考え方です。貢献者には報酬を!という流れができていますが、この調査で得られた見解はまさにその1つと言えます。

調査レポートは、ハイスキルな労働者はAIモデルにデータを提供する立場にあり、モデル開発において重要な役割を担う割に、業務でAIから受ける直接的メリットが少ないことから、彼らの働きを補償すべきかどうか、またどう補償すべきかという疑問も投げかけています。

IBMのCEO「AIに仕事取られてなんぼ!」

いいことだそうです。今も語り継がれるアメリカの有名な広告の1つに、Appleの1984があります。当時、Appleが倒すべき時代の象徴として描いたのがIBMで...

https://www.gizmodo.jp/2023/02/265896.html