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UI/UX - 詰め込みまくりたいワケを考えてみる

【重要】今から書くことは、特定のプロジェクトや人について述べているのではありません。

先日YouTubeで「宇宙は膨張し続けている。加速しながら。」という動画を見ました。まるでプロジェクトの要件みたいじゃないか!と思いました。

昨年に続き、今年もいくつものプロジェクトで仕事をしています。どちら様も必ず「あれもこれもそれも」とどんどん要件が増えていく宇宙のような現象について、真剣にその理由というか心理というか、原因みたいなことを考えてみたいと思います。

個人的には条件付きですが嫌ではないです。スケジュールも予算も比例して膨らみますがそれで構いませんということであれば。

しかし現実は「スケジュールはずらしたくない」「予算追加は難しいです」という状況です。
それなのになぜ要件だけが?

文句を言いたいわけでもなく、善悪を決めたいのでもなく、やめましょうと説得したいわけでもなく、何故なのかだけを私なりに考えたいのであります。

膨らみ続ける要件

「◯◯のサービスを作りたい」とオファーいただき、契約していざスタート!

ワイヤーフレームがバッチリ出来上がっていてあとはデザインするだけという状態の案件は、絶対に私のところに依頼が来ません。理由は省略します。
ですからまずは、ふんわりとしたお話をひたすらお伺いするところから始まります。

状況に応じてフロー図から作ったり、ワイヤーフレームから作ったり、いきなりデザインラフから作ったり様々です。

どのタイミングかは、プロジェクトによってまちまちですが、途中で「これも追加したい」「これも!」「あれも!」となります。

聞くところによると宇宙に果ては無いらしいので、加速しながら拡張し続けても問題ないのだろうと思いますが、プロジェクトの場合はいろんな方向に「果て」があります。そこが宇宙と大きく違う点です。

リリース日、予算、人的リソース、スマートフォンの画面の面積、
あっちこっちに「果て」があります。

そういえば若い頃、私はバンドをやっていました。ライブでの持ち時間が20分間なのに、バンドのリーダーはなぜか10曲以上あるセトリを作って来たことがありました。

推測1: それをしないと競合に勝てないことに途中で気づいた

前述した「果て」を遠くに動かせないのであれば、代わりに他の機能を諦めるか、開発フェーズを分ける必要があるのではないかとよく思います。

推測2: 麻美さんならあれもこれもできるだろうという期待

もう数を覚えていないほど、たくさんのWebアプリ、モバイルアプリのUI/UXデザインをして来て、メディアで話題になったり、賞を取ったり、ビジネスが成功したりしたことを覚えてくださっているそうなのですが、私1人でそういう結果を叩き出しているわけじゃないのであります。

プロダクト開発ってバンド活動みたいなもので、それぞれのパートのメンバーが織りなすgrooveなわけです。
Oasisのリアムとノエル、どちらかが欠けてもOasisじゃないのと似ているように思います。

推測3: 単純に工数や影響範囲の計算ができない

経験値が低いディレクターやマネージャーの話をここでしたいのではありません。

完成系のイメージがいきなり帝国ホテル級なのかもしれません。てっぺんを目指すのは良いことだと思います。
しかし伝統と革新の積み重ねをショートカットする方法はほぼ無いんじゃないかとよく思います。

「果て」があちこちにあるわけなので、まずは小さくても清潔で快適だとか、料理が美味しいとか、今ある工数で一つ他と比べて抜きん出ることができることはなんだろう?というような目線が大事なのではないかとよく思います。

他にもいろんなことを考えて、膨らみゆくことの理由を炙り出したいと思ったのですが、なかなか「これだ!」という決定打は見つからずにいます。

もしかしたら真逆なのかもしれない

今年の誕生日にいただいた水色のバスソルトをお風呂に入れていたときに、一体どのくらい入れればいいんだろう?
溶けなくなる限界の量ってどのくらいなんだろう?なんてことを思いました。
そして、宇宙の膨張が私に止めることができないように、プロダクトの要件膨張も私に止めることは出来ないと悟った方が早そうだなと思い至りました。

だって、「こういうものを作り、世に出して、ビジネスしよう」と考える人は真剣に理想像を描き続けているわけです。だからきっと「果て」を細かく考えたら理想像なんて描けないのかもしれないなと。

一方でUI/UXデザイナーやエンジニアは、ものすごい現実的なことをコツコツと積み上げているわけです。常に「果て」を意識して、そこに到達し切らないうちにいかに形にするかということを毎日真剣に考え取り組んでいるよねと。

分かり合えないということを分かることが大事なのかもしれない


むしろわかっちゃったらつまらないのかもしれない。
だから私はこれからも「いっぺんに全部は無理です」を言い続けて生きていくんだなと締めくくりました。


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