freeeの開発情報ポータルサイト

アジャイル初心者が「チームのお母さん」から「スクラムマスター」に戻るためにしたこと

こんにちは、今年の3月からスクラムマスターをしています21卒エンジニアの miyachi です。

新卒配属後からの様子については freeeの新卒がチーム配属から1年を振り返る - freee Developers Hub をどうぞ。

この記事は freee Developers Advent Calendar 2022 の5日目です。 また3日間に渡ってお届けしたスペシャルアジャイルストーリーズの最終日です。 一昨日は id:ichy3 さんによるアジャイル、とりわけスクラム開発をやるときに立ち向かわなければならない壁の話 - freee Developers Hub、昨日は mattsun さんによる混ぜるな危険!?スクラムマスターとエンジニアリングマネージャーを兼務するということ - freee Developers Hubでした。

今日はタイトルの通り 「チームのお母さん」から「スクラムマスター」に戻るためにしたアプローチ を紹介します。 スクラムマスターを始める際に陥りがちな現象に対してどういった対処をしてきたか、というお話です。

スクラムマスターが「チームのお母さん」になってしまう

スクラムを始めたとき、自チーム内では私も含めてアジャイルやスクラムに慣れている人がいなかったので、スクラムイベントの運営方法やタスクの管理の仕方をスクラムマスターが調べて、運用も行っていくことが多かったです。 そうしていると段々チームの便利屋さんのようになっていって、JIRAを整備したりスクラムイベントのドキュメントを作ったりすることがスクラムマスターとしてのメインの業務のようになってしまいました。

これがいわゆる、スクラムマスターが「チームのお母さん」になってしまう現象です。 この現象については、下の記事がとてもわかりやすかったので載せておきます。

engineering.nifty.co.jp

記事の中では、デイリースクラムのファシリテーションを移譲することが一つのアプローチとして紹介されています。 そのため、自チームでも同様にスクラムマスターが行っていた仕事を移譲していったんですが、移譲するにあたって次のアプローチを取っていきました。

スクラムマスターは「チームのお母さん」じゃない、を伝える

まず伝えてみる、というのはシンプルですが、一番簡単で、かつ、効果的なアプローチかなと思っています。 チームのメンバーもスクラムマスターに全部任せたい、というわけではなく、単純に認識が合っていなかっただけ、という場合も多いと思うので、ズレた認識を合わせてあげるにはもってこいなアプローチです。

更に自分のチームでは「スクラムマスター無しでもスクラムが上手く回っていくことが最終目標です」と伝えました。 伝えてみることでチーム内の認識が変わって、積極的にスクラムイベントの運営を買って出てくれたり、どうすればより効果的にスクラムを使えるか考えるようになってくれれば、効果としては十二分すぎますよね。

実際に自分のチームでは、1on1のときに開発メンバーの方から「自分がどう関わっていくといいか」という話が出たり、別のアプローチを試す際にもコミュニケーションがスムーズだったので、まずは言ってみるものだなと感じました。

スクラムマスターが長期間休んでみる

とりあえず休んでみて、メンバーがやらざるを得ない状況を作ってしまう、ということですね。 やり方としては単純に休むだけなんですが、特に休んでる間どうしてほしいといったことは言わないように意識しました。 ファシリテーションを誰が担当するのか、チケットの管理などチーム自身が決定して動けるようにしたかったためです。 そして戻ってきた後も休んでいる間の形式を継続してもらって、自然とチーム自身がスクラムを運営していくようにしました。 アジャイルコーチの方から勧められて試したアプローチですが、移譲も出来るし自分は長期間休めるしで一石二鳥でした。

スクラムマスターが動いちゃダメなのか

ここまでスクラムマスターが「チームのお母さん」になってしまった話を書いてきましたが、じゃあスクラムマスターが常に動かずにいればいいのかというと、そんなことはないと思っています。 特にスクラムを始めたてのフェーズで「チームが動いてね」といったとしても、スクラムに慣れていなければどうすればいいか分からないです。 そんな場合にはスクラムマスター自身が動いて背中を見せていく、というのは有効なアプローチだと思います。

しかし、その中でも「スクラムマスター無しでもスクラムが上手く回っていくことが最終目標である」ことを伝え続ける必要があります。 そうしないとメンバーの認識として、やはり「チームのお母さん」になっていってしまいます。

おわりに

今回は、スクラムマスターになって陥った「チームのお母さん」現象とその対処法について書きました。 これからスクラムマスターに挑戦する方、現在「チームのお母さん」現象に悩んでいる方の少しでも助けになれば幸いです。

3日間に渡ってお届けしたスペシャルアジャイルストーリーズは今日で終わりになります。ご拝読ありがとうございました。

明日は22卒のyokoから最近ライセンス関係がホットな docker に関するお話があるようです。とても楽しみですね!