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クラウド オペレーション

マルチプロジェクトの Cloud Monitoring がより簡単に

2021年6月24日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 6 月 10 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

顧客はクラウドにスケーラビリティと柔軟性を求めており、それはモニタリングやロギングなどのサポート サービスにまで及びます。Google Cloud の MonitoringLogging のオブザーバビリティ サービスは、2020 年時点で、1 秒あたり 1,600 万を超える指標秒間クエリ数、1 か月あたり 2.5 エクサバイトのログ、1.4 京を超えるディスク上の指標ポイントを処理する、すべての Google サービスで使用されているものと同じプラットフォーム上に構築されています。しかし、Cloud Monitoring 用の Workspace の以前の構成では、大規模プロジェクトに必要な柔軟性が提供されてないというフィードバックがお客様から常に寄せられていました。

マルチプロジェクト モニタリングに対する Cloud Operations の新たなアプローチ

このたび、Workspace のコンセプトに置き換わる、マルチプロジェクト モニタリングの新しいモデルがリリースされることになりました。この改善の目的は、指標スコープを導入することによって、モニタリング環境を管理するために必要な柔軟性を最大化することです。本日より、Google Cloud プロジェクトを複数の指標スコープに関連付けることができます。

ワークスペースと同様、指標スコープは、ダッシュボード、アラート ポリシー、稼働時間チェック、通知チャンネル、グループ定義のすべての構成コンテンツを保存するために引き続き使用されます。さらに、プロジェクトを関連付けることができる指標スコープの数に制限はありません。今回の変更以前は、プロジェクトの範囲に指定できるのは単一のワークスペースだけでした。現在、マルチプロジェクト モニタリングを設定する方法は事実上無限です。これにより、よりきめ細かい権限から、ミッションに焦点を合わせた構成まで、さまざまなオプションを活用できます。一方、最もシンプルな実装においては、オペレーターや SRE がインフラストラクチャの状態に焦点を当てたモニタリング構成を使用して、組織全体の指標スコープを作成できるようになりました。デベロッパーは、組織のプロジェクトのサブセットに基づいて構築された指標スコープを活用して、アプリケーションのパフォーマンスに集中できます。

仕組み

  • プロジェクトのコレクションがある場合、指標スコープを使用すると、各プロジェクトの指標を個別に表示することや、他のプロジェクトによって保存された指標と組み合わせて表示することができます。

  • 指標スコープは、スコープ対象プロジェクトによってホストされます。このスコープ対象プロジェクトは、Cloud Console のプロジェクト選択ツールで選択されているクラウド プロジェクトです。

  • この例では、Project-SRE は、フリートをモニタリングするためのスコープ対象プロジェクトの名前です。デベロッパー チームのプロジェクトである Project-Dev-1 と Project-Dev-2 を Project-SRE の指標スコープに追加しました。Cloud Console のプロジェクト選択ツールで [Project-SRE] を選択し、[モニタリング] ページに移動すると、以下のように 3 つのプロジェクトすべての指標が表示されます。

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すべてのプロジェクトの指標は、フリートをモニタリングするために特別に作成されたスコープ対象プロジェクト Project-SRE を使用して表示できます。これには 3 の指標スコープがあります。

  • Cloud Console のプロジェクト選択ツールで Project-Dev-1 を選択してから [モニタリング] ページに進むと、Project-Dev-1 の指標スコープが表示され、そのプロジェクトの指標のみを確認できます。

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スコープ対象プロジェクト Project-Dev-1 を使用すると、デベロッパーのプロジェクトの指標のみが表示されます。これには 1 の指標スコープがあります。

その他の新機能

  • 指標スコープは、最大 375(以前の 100 から増加)のプロジェクトをモニタリングできるようになりました。

  • 新しいプロジェクトは、以前の 60 秒のワークスペース作成プロセスなしで、Cloud Monitoring で自動的に稼働し始めます。

  • 複数のプロジェクトをモニタリングする場合は、プロジェクトを指標スコープに追加するだけです。

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指標スコープに複数のプロジェクトを追加する

ナビゲーション

  • 前述のように、Cloud Console のプロジェクト選択ツールを使用して、Cloud Monitoring の指標スコープ間を移動できます。

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指標スコープ間を移動するために使用できる Cloud Console のプロジェクト選択ツールのビュー

  • これは現在、Google Cloud 全体の他の多くのサービスと整合性があります。具体的には、Cloud Monitoring から Cloud Logging に移動すると、プロジェクト選択ツールの整合性がどのように維持されるかを確認できます。

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複数のサービスをナビゲートするときに、プロジェクト選択ツールは整合性を維持します

  • さらに、指標スコープ間のナビゲーションを簡単にするために、UI に新しい指標スコープのタブとパネルを追加しました。

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Cloud Console の UI にある指標スコープパネル

近日提供予定

  • 指標スコープ API は次の四半期にリリースされます。この API を使用すると、モニタリング構成と指標スコープをプログラムで管理できます。

現在のワークスペース ユーザー

Cloud Monitoring でワークスペースをすでに使用している場合は、数週間前にそれが指標スコープに変換されていたことに気付いた方がいらっしゃったかもしれません。追加アクションの必要なしに、今すぐ指標スコープの追加機能を利用できます。

使ってみる

デジタル ネイティブの企業や、デジタル トランスフォーメーションの過程にある企業は、デベロッパーの運用上の役割が増加しているため、オペレーション チームと SRE チームの間で責任が重複することがよくあります。しかし、指標スコープにより、複数のデベロッパー チームはアプリケーションのパフォーマンスの最適化に集中し、オペレーターは管理下にあるすべてのインフラストラクチャのパフォーマンスを維持して改善する際にフリート全体を把握できるようになります。

複数のプロジェクトの指標を含めるように指標スコープを構成する方法については、複数のプロジェクトの指標を表示するをご覧ください。

-プロダクト マネージャー Rahul Harpalani

-プロダクト マーケティング マネージャー John Day

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