2020年10月に発売された、フェイスブックのVRヘッドセットOculus Quest 2。リリース以降、好調が報じられている同デバイスですが、2021年4月、ソフトウェア・アップデートによる、更なる性能の強化が行われました。
同アップデートでは様々な要素が導入されました。なかでも特筆すべきなのは、ディスプレイのリフレッシュレートの上限が、これまでの90Hzから120Hzに引き上げられたこと。
本記事では、2021年4月28日現在、120Hzモードに対応しているVRタイトルをプレイ。高くなったリフレッシュレートが、ゲームプレイにどのような影響を及ぼすか、見ていきたいと思います。
リフレッシュレートは、高いほど滑らかで高品質なVR体験が可能になります。ハイエンドVRヘッドセット“筆頭”で、本体価格が10万円を超える、VALVE INDEX(バルブ・インデックス)のリフレッシュレートは144Hz。64GBモデルだと3万円代で買えるQuest 2が120Hzを実現したことは、大きなブレイクスルーと言えるでしょう。
今回は、レビュー用のタイトルとして「Cubism」と「Eleven Table Tennis」をチョイス。なお、120Hzモードは、利用するために、事前にホーム画面の“テスト機能”から有効にする必要があります。設定を行わないと“上限”が解放されないので、注意してください。
(テスト機能から、あらかじめ“120Hzリフレッシュレート”を有効に)
Cubism:あまり変化なし
「Cubism」はベルギーの個人開発者Thomas Van Bouwel氏が制作したVR立体パズル。色とりどりのブロックを型へはめ込みながら、立方体の完成を目指します。禅に着想を得たという落ち着きのあるグラフィックと、クラシックピアノをメインとした音楽が特徴的なタイトルとなっています。
本作では、テスト機能の有効化をした後、オプションから設定を変更することで120Hzモードを使用可能…なのですが、正直、リフレッシュレートを上げても、ゲームプレイに大きな差異は発生しませんでした。
ブロックを保持した状態で、腕をブンブン動かすなど、リフレッシュレートの違い確認するための動作をすれば、確かにスムーズさが増しているのは確認できます、ただ、そのような動きは普通に遊ぶ分には、不要な動作であることは言わずもがな。
ある程度効果はあるものの、パズルのような、動きの少ないVRゲームでは、120Hzモードの恩恵はあまりないというのが筆者の所見です。
Eleven Table Tennis:動きが目に見えて滑らかに
「Eleven Table Tennis」は卓球をVRで楽しめるゲームです。現実と同じような物理シミュレーションが取り入れられており、リアルな挙動を再現。Oculus Quest(オキュラス クエスト)版のほか、PCVR版も配信されています。
こちらもオプションから120Hzモードに設定が可能。結論から言うと、本作では120Hzの恩恵をかなり感じることができました。画像では伝わりにくいかと思われますが、自分が振るラケットの動き、飛び交う玉、それらすべての動きが、変更前と比べて、非常に滑らかに見えるのです。
試しにオプションから、リフレッシュレートを60Hz(2分の1)に下げてみると、その差は歴然。筆者はこれまで様々なVRヘッドセットを使用してきましたが、リフレッシュレートの変化が、プレイ感覚に大きな違いを与えることに、改めて驚かされました。
(グラフィックオプションから、カスタムプリセットを作成することで、リフレッシュレートを変更可能)
結論:動きが多いゲームには嬉しいアップデート
120Hzモードの真価は、動きの激しいゲームで発揮されます。現時点では同機能を利用できるタイトルは、残念ながら少数。「SUPER HOT VR」や「ポピュレーション:ワン」など、プレイヤーの視点が激しく動くゲームが対応していくのを期待したところです。
なお、現在の時点では「Oculus(Air)Link」の使用中は、リフレッシュレートを120Hzに設定することはできません。PCVRゲームには、「Half-Life: Alyx」などを筆頭に良質なアクションゲームが多数存在するので、早めのアップデートをお願いしたいですね。