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Neumorphismはデザイナーの魂の叫びと希望の光?

Neumorphismが2020年のUIデザイントレンドなのだそうです。
dribbbleでneumorphismと検索するとたくさん出てきます。

私も仕事の合間にざざっとSketchで作ってみました。久々に楽しかったです。

個人的には、私がよく行く、ある場所で多用する「Shazam」がこのデザインにリニューアルされたら素敵だな〜と本気で思います。
https://dribbble.com/shots/10489979-Neumorphic-Shazam-Button

Neumorphismを導入するデメリットは本当にわかりづらさなのか?

検索して色々と個人ブログやデザイン系の記事を読みましたけれど、このNeumrophismを導入するデメリットとして多く書かれていたのが、
「わかりづらい」でした。

この10年ほどモバイルアプリのUIデザインにほぼ特化して仕事をして来たから思うことなのかもしれませんが、果たして本当にそうでしょうか?

iOS7から採用された「フラットデザイン」。
これが登場した時、みんなとても混乱しましたよね。

「どこが押せて、どこがただの文章なのか全然わからない!」

iOSのシステムボタンを見てみると、ボタンというよりはテキストリンクです。これをSystem Buttons、つまり「ボタン」だと言うことに結構無理がある気がします。

それと比較したらNeumorphismは、押せるところとそうでないところが遥にわかりやすいではありませんか!

もっと大きなデメリットを挙げるとすれば、UIの実装に伴う負荷が大きくなるということなんじゃないかと思います。
Webの場合はCSSの記述が長くなる、
ネイティブアプリの場合も同じ?もしくは、画像assetsの量が増えるのでしょう。(9patchをチクチク夜中に量産してた10年前を思い出すとちょっとツライ)

マテリアルデザインがデザイナーに今ひとつ不人気な理由

マテリアルデザインは、非常に優れたデザインシステムであることは多くの人が認めるところでしょう。

しかし、マテリアルデザインへの理解を深めるほどに、

「あれ?これって、忠実にマテリアルデザインに沿うならデザイナー要らない??」

と気づいてしまい、最終的には「うん、要らないね」という結論に到達してしまうわけです。

私のような「インディーズ音楽のプラットフォームを作りたい」という動機がスタートで気づいたらデザイナーになっていた者とは異なり、
多くのデザイナーはデザイナーを目指し、美大や美術系の専門学校を出て、社会で活躍しているわけです。

何もないところから考えて、キレイなデザインができるようになりたくて一生懸命ウデを磨いて来たわけですよね。

影はどのくらい付けようか、角のRは?余白は? うんうん考えたいですよね。

しかし、iOS Human Interface Guidelinesは過度な装飾(グラデーションやドロップシャドウやベゼル)はできる限り控えコンテンツそのものに重きを置きましょうとしつこく言っています。

マテリアルデザインはHIGよりも細かくロジックが確立されていて、使いこなすよりもその決まりを覚える方が大変です。

楽しいは正義

iOS7が登場したのが2013年、Material Designが登場したのが2014年。
そこから6,7年が経っているわけです。
これを何年もやられていたらデザイナーのストレスは高まるばかりです。

ミニマルデザインがほんの一時トレンドだと言われていたこともありましたが、やっぱりデザイナーは楽しくないですね。

UIデザイナー不足が深刻であることの要員のひとつなのではと感じることもよくあります。

そんなところに誰かが始めたNeumorphism。
デザイナー達の心がときめいてしまうのは避けられないんじゃないかと、そんな風に思うわけです。

ここ数年で飛び交ってきた方法論やなんとかシンキングやなんとかシステム。
正しい理論や概念なんだろうけれど、でもなんか難しい、なんか窮屈、楽しくない。というかむしろ辛い。それが実は本音なんじゃないかと。

クリエイター心を刺激する素敵なデザイン、作っていることが楽しくてたまらないデザインは制作の現場を活気づけますよね。
だからNeumorphismはひとつの打開策だなあと感じます。
(そういう私はスキューモーフィズムが再び本格的に主流になったらめんどくさいなとは思っています。)

Neumorphismはデザイナーの心の叫び

これからは何にでもNeumorphismをじゃんじゃん取り入れて行こう!と言っているのではありません。

「もうフラットデザインもマテリアルデザインもお腹いっぱい、飽きたよね」
「正論はわかるけど、だってだってなんだもん!」
これが多くのデザイナーの本音で、そろそろ新しいことがしたいし、みんなそれを待ってるよね。でも日々の制作現場では「お手本」「ガイドライン」に逆らいづらいし...

クリエイター魂あふれるデザイナー達の当然の帰結という気がする今日この頃です。

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