デザイン

50万円超のものもある「世界で最も高価なフォント・書体」


世界で最も高級なフォントやタイプフェイス(書体)を、グラフィックデザイナーのマーティン・シルバータント氏がまとめています。最も高価なものはなんと4401.99ユーロ(約52万円)もするそうです。

The most expensive typefaces in the world - Martin Silvertant - Medium
https://medium.com/@msilvertant/the-most-expensive-typefaces-in-the-world-d025923084f0

JHA Bodoni Ritalic:4401.99ユーロ(約52万円)


シルバータント氏によると、世界で最も高価なフォントは「JHA Bodoni Ritalic」です。このJHA Bodoni Ritalicはあまりにも他のフォントからかけ離れて高額なため、シルバータント氏は「冗談とマーケティングの両面からつけられた価格だと思います。誰もこのフォントを購入したことがないと思います」と指摘。

Lexicon:3592ユーロ(約42万円)


LexiconはThe Enschedé Font Foundry製の24種類のフォントがまとまった書体。価格は3592ユーロと非常に高額ですが、この価格はあくまで24種類のフォントがまとめられた書体を購入した場合の価格。収録されているフォントを個別に購入した場合、1フォントあたりの価格は281ユーロ(約3万3000円)です。

Trinite:3368ユーロ(約39万円)


TriniteもLexiconと同じくThe Enschedé Font Foundry製の書体。こちらも29種類のフォントがセットになったもので、フォントを単体で購入する場合はLexiconと同じく281ユーロとなります。

Ruse:3255ユーロ(約38万円)


RuseもTriniteやLexiconと同じくThe Enschedé Font Foundry製の書体で、収録フォント数は22種類。収録フォントを単体で購入すると価格は562ユーロ(約6万6000円)となり、LexiconやTriniteに収録されているフォントの2倍となります。

The Enschedé Font Foundry製の3つの書体が非常に高価な理由として、シルバータント氏は「独占性」「品質管理」「出版社」という3つの要素を挙げています。まず、「独占性」として、シルバータント氏は「高い価格を設定することで、書体と書体メーカーは独占性を維持できます。これらの書体は印刷物ではめったに見られないものであるため、見るたびに特別な感覚が得られます」と指摘。さらに、書体の価格を高く設定することで、「すべてのデザイナーが手軽に書体を利用できるわけではない」という状況を作り出し、書体を使えるのは高い金額を支払うことができる質の高いデザイナーだけにするという「品質管理」を行っている、とシルバータント氏。加えて、The Enschedé Font Foundryは個々のデザイナーではなく出版社向けにフォントや書体を販売していることから、「書体の価格が高めに設定されている」とシルバータント氏は解説しています。


さらに、「プロモーションのために意図的に高額な価格を設定している可能性もある」とシルバータント氏は指摘。LexiconおよびTriniteは長らく「最も高価な書体」として知られており、これらの書体の評価も高いそうですが、これは「価格を高く設定していることによるプラスの効果」と説明しています。

Lexiconの利用例として、オランダ語辞書のファン・ダーレ辞典などの書物を挙げています。ただし、シルバータント氏は「実際に自分の目で見たことはない」としました。

Triniteの使用例には、「ロッテルダムのショッピングセンターで出会った」とシルバータント氏は語っています。本屋の窓ガラスにTriniteがプリントされていたそうで、シルバータント氏は「私はこの書体を見るのが大好きでした。とてもユニークな書体です」と語っています。

シルバータント氏が本屋の窓で見つけたTriniteの写真が以下のもの。


他にも、シルバータント氏が過去に働いていたデザイン会社でTriniteとフルティガーという書体を組み合わせて使用していたそうです。しかし、シルバータント氏は「どのプロジェクトでこれらの書体が使用されていたかはわかりません」としています。

RuseはGerrit Noordzij氏の書籍である「The stroke」で使用されており、シルバータント氏は「Ruseが嫌いという人も少なくありませんが、私はRuseで印刷された本を読むのは楽しいと思いました」と述べています。


さらに、The Enschedé Font Foundryの書体よりも安価な高級書体として、Dutch Type Libraryの書体を挙げており、例えばDTL Fleischmannは1755ユーロ(約20万円)、DTL Argoは2835ユーロ(約33万円)です。

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in デザイン, Posted by logu_ii

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