ブロックチェーンが普及した世界を妄想してみる。

これは何

(お久しぶりです。1月は忙しくて0投稿でした。今後は2週間に1回のペースできちんと投稿していきます)

ブロックチェーンって結局生活をどう変えるの?という話ってあまり語られてるようで語られてません。

「決済システムが変わるんです、お金がなめらかに流れるようになるんです、信用コストが下がるんです」

...んー、わかりませんよね笑

というわけでちょっとSFっぽくブロックチェーンが普及した世界ってこんな感じだよというのを書いてみました。

2つの視点があり、いわゆる一般生活者の視点、金融機関の人の視点の2本建てです。

2つの世界は同じ事象をリンクして書いているので気になった人は何回か読んでみてください。

ある一般男性編(表側)

老後の不安に毎日苛まれる31歳。

今日も一日深夜まで働く。

働いた分の給与が早速ウォレットに振り込まれている。この世界では毎月25日に給与が振り込まれるなんてありえない。働きたい時に働いた成果分だけお金が振り込まれるのさ。
ウォレットはiPhoneのアプリで昔でいう銀行口座のようなものだ。

そのアプリでは個人での送金やお店での決済だけでなく、自分の意思に応じての自動資産運用をしてくれる。

昔は銀行で金利が0.1%もつかなかったが今は、置いておくだけで勝手に3%も増えていく。
仕組みはよくわからないが便利な仕組みだ。

お金が借りたいときは、無担保で借りるのと、自分の資産を担保にするとお金を借りられる。

無担保は昔でいうカードローンのようなもので、プログラムが信用スコアなるものに基づいて自動でお金を貸してくれる。昔は返済をついつい忘れていたが、今はウォレットに振り込まれた給与から勝手に天引きされるので忘れる心配もない。

僕は数少ない趣味で、スニーカーやワインを集めている。
無担保で借りる枠がなくなると、僕はスニーカーやワインの権利の一部を担保に瞬間にお金を借りることができる。仕組みはよくわかってないが、どうも将来このスニーカーやワインをうった時にどれくらい値上がるかを計算しお金を貸してくれるらしい。

しかし要注意、うっかりそのスニーカを履いて、汚してしまったり、ワインを飲んでしまうとそのお金は返さないといけなくなる。将来売れなくなったり、価値が下がってしまうからだ。最近のスニーカやワインにはチップがついていて自動で探知されるらしい。悪いことができない世の中だ。

この日はどうしてもワインが飲みたかったので、スニーカーの担保分を増やして、ワインの分を返済し、思いっきり飲んでみた。最高の気分だ。

夜出かけようと思ったら、iPhoneからpush通知がきて雨が降りそうときた。お気に入りのスニーカが汚れてしまうとお金を返さないといけないから、別のどうでもいいスニーカーにした。価値のあるものは大切にしないとね。

えっと何でお金を借りたって?それは新しいいいワインが入荷されたと聞いて欲しくなったからだ。そんな消費してばっかで大丈夫かって?僕はいいワインは目利きできる。ワインがすごく好きだから。

そうするとそれを担保に勝手にお金を引き出せるんだ。飲みたくなったらそのお金でワインを別に買って、またそれを担保に入れればそのワインを飲むことだってできる。

ワインをAmazonでポチッと。あれなんか買えないぞ。不正が発覚しました?
最近では、ワインにICチップが搭載され、産地を偽装していたり、保存状態が悪いものは全て機械が勝手に判別して、お金を振り込む前に止めてくれる。危ない危ない。昔はよくAmazonマーケットプレイスで低品質だったり偽物をつかまされたもんだ。

さて再度ポチッと。うむしっかり買えた。保存状態も良さそうだ。アプリですぐ簡単にチェックできる。

便利な世の中だ。しかしスニーカーだのワインだのよくこんなものに投資する人はいるものだ。どうやってるのかは知らないのだけど。

さて酔いも回って眠くなったので寝ることにする。

金融機関の人編(裏側)

今日も一日しっかり働いた。

昔は給与振込日になると、各社の経理担当は金額が正しいか、ちゃんと振り込まれたか、二重で給与を振り込んでないか毎回人手でチェックしてたらしい。そりゃこんな大変だったら昔は月に1回しか振り込まれないよな。今?今は経理も銀行も何もせず、デジタルに署名した雇用契約条件に従って、働いた分、成果を出した分毎日払われるんだ。

そのお金はどうなっているかって?そこからが俺たちの仕事さ。今お金を持っている人がほとんどやってるのがこのロボアドバイザーというやつだ。これは世界中のあらゆる資産のリスク、流動性を分析し、その人が欲しいリターンとリスクを自動で選べるようになっている。

昔はそういったものが投資する対象が株式、債券、不動産くらいしかなかった。それも先進国のマーケットだけが対象だった。今ではブロックチェーンという技術とやらで、発行コストや管理コストが劇的に下がったらしい。その結果、スニーカーだろうがワインだろうが、スポーツ選手やチームだろうが「価値」を評価できるものはなんでも投資できるようになった。もちろんそれは国内に限った話だけでなく、あらゆる国、インドもインドネシアでもケニアもナイジェリアもどこの国だって有望な資産は全て証券化されて買ったり売ったりできる。最近ではVRの世界での資産も売買できるようになったらしい。なので利回りもすごく安定するんだ。

そんなたくさんの資産をどうやって管理してるかだって?もちろん人手じゃ無理さ。ブロックチェーンで改竄できないように記録された資産がスマートコントラクトによって、発行、償還される。みんな流動性を持ちたくて、そのプラットフォームに乗りたいから、資産の評価に関わるデータを提供してくれる。あらゆる資産がIoTデバイスと繋がり、状況がモニタリングされるんだ。なのでどんなアセットが、しっかり回転してるかを透明性高く持って評価してくれる。もちろんそこは機械が勝手にやってくれる。金融ではもちろん不正があっちゃいけないからこれもブロックチェーン上で反社チェック、テロリストチェックがされるし、法律に則ってない行為は全てできないようになってるんだ。

昔は当局がそこらへんを一括検査やったりしてたんだ。俺たちは不正なんかしていないからいくらでも検査されても構わないんだが「不正をしていない」という証明ってのは大変で。過去のメールや書類やらをまとめて、それはいつできたか、その時から書き換えられてないかなどチェックされたもんだ。

今では当局も、用意している監査プログラムでブロックチェーンのデータを勝手に検証して、不正があればすぐ発覚する。不正をしてない証明のためわざわざ何かする必要がないのさ。

配当や株主の管理もすごく楽になった。毎年、期日になると配当作業が煩雑で。誰が権利者か、いくらの配当を誰に送るべきか、口座番号や金額は間違ってないか、二重にも三重にもチェックしたもんだ。

今では機械が勝手に自動で計算し、期日に自動的に配当してくれる。株主総会への参加の管理だって大変だったがそれも今は機械が勝手にやってくれる。会場に行かなくてもWebで映像を流し、スマホで簡単に電子投票できるんだ。

こういったプロセスも昔は監査法人に報告しなくちゃならなかった。監査法人とのやりとりというのはなかなか大変で、ここはちゃんと運営されてたか、本当に公正に執行されているのかいちいち証拠を求められるんだ。今ではブロックチェーン上で監査プログラムが動いていて、そんなこと証明する必要がない。不正があれば直ちに探知してくれるようになっている。

そのおかげで、もう当社では「コンプライアンス委員」「コンプライアンスコスト」「監査」という言葉は聞かれなくなった。あのめんどくさい、配当作業や株主優待の確認、約定照合の確認などもブロックチェーン上のプログラムがやってくれる。またそこに不正がないことを証明してくれる。楽な仕事になったもんだ。

この結果、金融機関のコストは本当に下がった。そのおかげで、ワインやスニーカーといった資産性はあるが資産サイズが小さすぎて証券化できなかったものも全部証券化されるようになったんだ。

お金の貸し方も変わった。今ほとんどの人は、昔でいう預金を投資信託という形で持っている。それを引き出していろんなものを買っている。その決済や個人の行動はプライバシーがしっかり保護された形で、お金を貸す際、ユーザーが許可した時だけ信用スコアの計算に使われるようになっている。

その時データに不正な改ざんや、プログラムの不正な利用があってはいけないからあらかじめスマートコントラクトという形でブロックチェーンに登録しておくんだ。そうするともう誰も改ざんすることはできない。そうした仕組みを使い今はもう誰もクレジットカードなんか持たなくなった。なぜなら何かサービスをクレジットで購入したい時はウォレットアプリ上でユーザーが信用払いできるようになってるんだ。無担保で融資されるのが対面の消費者金融を完全に駆逐してしまったのさ。

無担保融資での金融機関のリスクは非常に小さくなった。なぜなら無担保融資する際、将来の給与収入などから自動で天引きされるようにローンの支払いが行われるようになった。無担保融資と後払い決済の垣根もなくなり、取りっぱぐれリスクもないんだ。しかもその収益権を証券化して、ローン債権として投資家が購入している。その結果、金融機関のバランスシートのリスクも激減したんだ。

無担保融資の枠を使い切った人は、担保枠も使える。従来担保といえば株か不動産くらいしかなかったよね。もちろん今でも株や不動産は担保として人気だ。昔は株式担保でお金を引き出すのにえらく時間がかかったもんだ。もちろんそれは、仕方ないことだったんだ。様々な契約のやりとり、その株式に他に担保権がついていないか、追加担保条件にヒットした時の追加担保の差し押さえ余力はあるかなどを調査して、その上で振込銀行口座に金額や内容など間違いないかを人手で確認し最後お金を振り込んでいたんだ。

株や不動産くらい確かなアセットでもそれを貸すのにはいろんな調査が必要だったんだよ。今ではブロックチェーンに登録された株の権利は、担保にすると自動でロックされ誰にもうごかせなくなるんだ。それをプログラムで検知して、即座にお金を入金するんだよ。その間に人手が介在したり、複数機関にまたがっての確認なども当然もうしなくていいんだ。なんて金融は楽な仕事になったものだ。

ちなみに今は、証券化のコストや、上記の担保確認のプロセスなどが楽になったことで、資産性のあるものならなんでも、スニーカーだって、ワインだって担保に出せるんだ。それで即座にお金を引き出すことができる。

ん?スニーカーやワインが偽物だったり、傷んでいたらどうするかって?簡単さ。IoTセンサーがスニーカーやワインの状態をブロックチェーンに書き込んでくれる。これはもう誰にも改ざんできない。その結果偽物だったら融資を弾くし、傷んだりしてることがわかったらスニーカーやワインに昔でいう追加担保を求めるのさ。今は担保権はどんな単位にも分割できる。例えばスニーカーの20%を最初担保に出していたが傷んでしまって将来価値が下がると、追加の担保かお金の返済が求められる。そんな時は30%に担保を引き上げれば大丈夫。

またそうゆう仕組みが浸透することで、みんな物を大切に扱うようになったんだ。綺麗に使った方が得をするからね。結果的にものを買っては捨て買っては捨てみたいな習慣はなくなって地球環境にもよくなったってわけさ。

好きこそ物の上手なれといったものか、スニーカーが好きならいいスニーカーを買い続けてれば勝手に担保価値が上がって次のいいスニーカーを買えるんだ。今はスポーツ選手でもアイドルでもみんな証券化されてるからそういうのを買ったっていいのさ。面白い時代だよね。もうデイトレーダーみたいな職業なんてなくなって、みんな好きなことに詳しくなれば勝手に自分の資産の価値も上がってくんだよ。

もちろんそういう世界になるってことは不正もいっぱい起こるってことだ。昔はスニーカーの価値を偽ったり、持ってもいないスポーツ選手の権利を勝手に売ったりってそんな詐欺が多発してたんだ。

そこでこの国では法律が変わって、こういった価値のあるものは全てブロックチェーンに記録したものを正とするって法律に変わったんだ。裁判官もどの証拠が正しいか、改竄されてないかなんて気にしなくなって、ブロックチェーンのデータだけ見てればよくなったんだよ。

結果的に不正するやつなんていなくなったね。すぐばれちゃうから。

さて、じゃあ今金融機関の人は何してるかって?昔のようにはもう働いてないんだよ。もう何年も前に作ったプログラムがしっかり動いて僕らの収益を稼いでくれるんだ。もちろん世の中の仕組みはどんどん変わっていくから、プログラムのupdateはしなくちゃいけない。ただそのupdateも不正がないように公正にデプロイする方法が確立されたんだ。

よし、今日は疲れたので寝ることにする。

最後に

いかがだったでしょうか。ちょっと専門用語が多くまだまだわかりにくいものとは思いますが、少しはブロックチェーンが広がった世界がイメージできれば幸いです。冒頭に書いたように、この2つの視点は、同じ世界を、一般生活者の視点と金融機関の視点、2つの視点から描いたものでした。興味がある方は読み直しながら、ああこことここがリンクしているのかみたいな視点で読み直すのも面白いかもしれません。

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