Cisco Systemsはスペインのバルセロナで開催中の「Cisco Live EMEA 2019」において、マルチクラウドに向けた配備とともに、ハイブリッド型のデータセンター管理により適切に対応するためのアーキテクチャ変更に関する概要を説明した。同社のビジョンは「Data Center Anywhere」というアプローチに結びついたものとなっている。
このアーキテクチャは、同社傘下のAppDynamicsが25日に発表したマルチクラウドのアプローチと歩調を合わせたものとなっている。Kentikの調査によると、マルチクラウドでのアプローチを採用する企業が増えており、「Microsoft Azure」や「Amazon Web Services」(AWS)、「Google Cloud Platform」(GCP)を自社インフラと組み合わせるようになってきているという。
こうした状況こそ、CiscoやDell Technologies、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、IBMといった企業が自動化やデータセンタープラットフォームでクラウドプロバイダーとの協業を進めている理由だ。
同社は今回のイベントで以下について概要を発表している。
- 「Cisco Application Centric Infrastructure」(Cisco ACI)をAWS上やAzure上でも展開していく。
- 「Cicso HyperFlex」システムを支店や遠隔地にまで伸長し、エッジコンピューティングに対応する。
- 「Cisco CloudCenter Suite」におけるアプリケーションやクラウド環境の管理機能を強化する。
- 単一の「Enterprise Agreement」で、同社のデータセンタープラットフォームをまたがったテクノロジの購入を可能にする。
これら発表のうちで最も広範囲に影響が及ぶのは、ACIに関するものだろう。ACIをAppDynamicsとともに、上記の2大クラウドプロバイダーに接続することで、Ciscoはコンテナからハイパーバイザ、アプリケーションに至るまでのすべてを管理していこうとしている。なお、同社はこの取り組みを「ACI Anywhere」と称している。
CiscoとACI Anywhere戦略にとっての最大の難関は、DellのVMware製品が幅広いパートナーシップを通じてAWSとともに販売されているところにある。
CloudCenter Suiteに対する拡張は、データセンターおよびワークフローの自動化とともに、さまざまなインフラにおけるコストの最適化に対する自由度を同社にもたらすためのものだ。
またライセンス契約の変更について同社は、ACIやHyperFlex、「Cisco Intersight」「Cisco Tetration」を含む7つのスイートで3年または5年での契約を締結できるようにすると述べた。
発表された製品の多くは、2019年第2四半期に利用可能になるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。