プログラマーはアップルよりグーグルが好き、マイクロソフトは......

ジョエル・スポルスキ氏

Stack OverflowのCEOジョエル・スポルスキ氏

Stack Overflow

  • プログラマー向けのQ&Aサイト「Stack Overflow」が2018年の開発者アンケートの結果を発表。10万1592人もの回答は、現代のプログラミング事情を詳細に反映している。
  • アンケートの結果、グーグルのプログラミング言語Goが、僅差でアップルのSwiftより「人気」だった。だが、マイクロソフトのVisual Basic 6は相変わらず「最も不人気」だった。
  • また、AIによるプログラミングの自動化も大きな話題となった。
  • さらにアンケートは、女性と、経験が5年に満たない非白人男性が業界を追われているという憂慮すべき事態を警告する結果にもなった。

プログラマーに人気のQ&Aサイト「Stack Overflow」が、2018年の開発者アンケートの結果を発表した。同アンケートはソフトウエア開発業界の現状を知ることができる最も信頼のおけるアンケート。

過去最大の回答者数となる182カ国10万1592人にものぼる人が、30分のアンケートに回答した。今人気のテクノロジーからプログラマーの属性まで、考え得る限りのテーマをカバーしている。

注目すべき結果のいくつかを、同社CEO、ジョエル・スポルスキ(Joel Spolsky)氏の解説とともに見ていこう。

プログラマーに「最も愛されている」言語

グーグルが開発したプログラミング言語Goは、「最も愛されている」言語の第5位にランクイン。65.6%のプログラマーが、現在使用している言語の中で継続して使用したい言語と回答した。65.1%で第6位となったアップルのSwiftをわずかに上回った。Mozillaが開発したRustは78.9%、3年連続で1位に輝いた。

「最も嫌われている」言語

一方、マイクロソフトのVisual Basic 6(VB6)は3年連続で「最も嫌われている」言語で1位という不名誉な結果となった。現在使用しているプログラマーの89.9%が「もう使いたくない」と回答。Business InsiderにVB6を「これまでに作られた中で、最も完璧なプログラミング環境」と紹介したスポルスキー氏にとっても苦い結果となった。

また、Pythonが「最も求められている」言語となった。25.1%のプログラマーが現在使用していないが今後習得したい言語にあげた。

スポルスキー氏はPythonの人気は、AI開発の現場における人気に依るものと語った。AI分野の成長により、機械学習の専門家や、平均年収10万2000ドル(約1090万円)でアメリカの平均年収ランキング第4位となったデータ・サイエンティストも人気となっている。

さらにアンケートでは、ソフトウエア開発者が、テクノロジーが社会に及ぼす影響をどのように考えているかも明らかにした。例えば、彼らが考えるAIの最大の危険性は、アルゴリズムが重大な決定を行う危うさ。だが、一番話題にのぼっているのは、仕事が自動化され、雇用が失われてしまうことだ。

9割が男性

最後にスポルスキー氏は「残念な」結果についても指摘した。開発者の中でも、24.8%を占める最大のグループは、3〜5年の間、開発者としてのキャリアを積んでいる。11.4%の別のグループは、2年以下の経験しかない。

この結果には2つの見方がある。楽観的に見れば、テック業界は急速に拡大しており、多くの人がプログラミング分野で新たな仕事を見つけている。

だが、悲観的に捉えることもできる。アンケート回答者の92.7%が男性で、74.2%が白人。スポルスキー氏はこの属性に不安を感じている。つまり経験の浅い開発者が増えていることは、典型的な属性に該当しない人たちが、5年以内にキャリアから離れていると見ることもできる。

「我々はこの仕事から人を早く追い出し過ぎている」とスポルスキー氏は懸念している。

Stack Overflowによるアンケートの結果はこちら

[原文:Programmers love Google more than Apple, but dread Microsoft according to 100,000 developers

(翻訳:忍足 亜輝、編集:増田隆幸)

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