11月2日、CNBCが「OpenAI deepens Abu Dhabi foothold as Sam Altman inks deals spanning energy, government and investment」と題した記事を公開した。OpenAIがアブダビでエネルギー・政府・投資にまたがる複数の大型協定を締結し、中東での足場を一段と固めたことが詳しく報じられている。
$20Bの資金調達ラウンドを背景に、OpenAIがアブダビで4つの協定を締結
OpenAIのCEO、Sam Altmanがアブダビを訪問し、アブダビ皇太子のKhaled bin Mohamed bin Zayed Al Nahyan氏と会談。同時に、エネルギー・投資・政府・教育の各分野にまたがる複数の協定を締結した。アブダビ・メディア・オフィスが月曜日に発表した。
締結された主な合意は以下の通りだ。
- ADNOC(アブダビ国営石油会社)・G42とOpenAIが、フロンティアAI技術の導入に関する協定を締結
- Mubadala(アブダビ政府系ファンド)・Inception42とOpenAIが、投資分析への高度なAI活用に関する協定を締結
- アブダビ政府がOpenAIと連携し、政府の政策・規制を機械可読(Machine-readable)形式に変換するイニシアチブを発表
- Inception42とOpenAIが、政府・企業・教育分野でのフロンティアAI普及を目的とした5年間の協定を締結
中東との連携が支えるAIラボの資金調達構造
この一連の動きには、明確な資金調達上の背景がある。OpenAIは現在、UAEの投資家を共同リードとする200億ドル規模の新たな資金調達ラウンドを進めていると、CNBCが10月31日に報じている。
アブダビを拠点とする投資会社**MGXは、OpenAIとAnthropicの両社を支援している。今年2月にはAnthropicの300億ドル調達ラウンドを共同主導し、3月にはOpenAIの1,220億ドル**調達ラウンドにも参加した。中東の政府系ファンドが、AIインフラ投資の主要なスポンサーとして存在感を高めている構図が浮かぶ。
なお、Inception42はG42傘下のAI特化組織で、UAE政府と連携したAI展開を担う機関である。Mubadalaはアブダビの政府系ファンドで、運用資産は3,000億ドル超規模に達する。
中東はAIハブとして成立しているのか
中東、とりわけGCC(湾岸協力会議)諸国は近年、米国の大手テック企業による大規模データセンター投資の誘致を積極的に進めてきた。OpenAIに限らず、MicrosoftやAmazon、Googleといった主要プレイヤーもUAEやサウジアラビアへのインフラ投資を相次いで発表しており、湾岸地域全体が「AIインフラの新興拠点」としての位置づけを強めている。
一方でCNBCは同記事の中で、地域内の紛争が「AIハブ」としての魅力を試しているとも指摘している。地政学リスクが現実の事業継続性に与える影響は、データセンターの安定稼働や人材確保の面でも無視できない論点だ。
Altman自身は「アブダビとUAEは、AIの恩恵を誰もが享受できるよう、官民両セクターにわたるAI統合の大胆なグローバル基準を打ち立てつつある」とコメントしている。OpenAIにとって中東は、単なる資金調達先にとどまらず、政府・企業・教育領域での実装実績を積む場としての戦略的意味合いも持っている。
今回の協定が示すのは、OpenAIがアブダビを資金提供者としてだけでなく、政策・インフラ・教育という多層的な連携先として位置づけていることだ。地政学リスクを抱えながらも事業展開を着実に深化させているこの構図は、今後の資金調達ラウンドの行方とも直結する。200億ドル規模のラウンドが成立するかどうかは、UAEをはじめとする中東の政府系ファンドとの関係性が鍵を握っている。
詳細はOpenAI deepens Abu Dhabi foothold as Sam Altman inks deals spanning energy, government and investmentを参照していただきたい。