10月30日、Mike Mooreが「I think this is a great time to go do the new thing': OpenAI CEO Sam Altman thinks Gen Z entering the workforce should throw out the rulebook and do their own thing」と題した記事を公開した。OpenAIのCEO・Sam AltmanがスタンフォードのGraduate School of Business(経営大学院)での講演で、AI時代のキャリア形成において既存のルールにとらわれず新しいことに挑戦すべきだと訴えた内容を紹介している。
「5年前にクールだったことをやろうとするな」
AltmanはスタンフォードのGraduate School of Business(経営大学院)での講演でこう述べた。
「MBAの学生に対する私の慢性的な失望は、彼らが常に5年前にクールだったことをやろうとする点だ。今は新しいことをやるのに最高の時期だと思う。」
この発言の背景には、AIが既存の職務を急速に代替しつつあるという認識がある。Altmanは「今日人々がやっているタスクの膨大な数が、AIによってより良く、より安く、より速く、そして完全に異なる形で処理されるようになる」と明言した。
「地盤が最も揺れているときに成果を出せる人材」
Altmanが語る"AI時代に強い人材像"は具体的だ。
「高いポテンシャル、行動力、アイデア、新しい視点、新しいスキルを持つ人は、地盤が最も揺れているときに相対的にうまくやる傾向がある。」
そして就職活動中の若者に向けてこう続けた。「最大の変化が起きているときにキャリアをスタートさせたいと思うはずだ。競争の場が最もオープンになっているときに。」
なお、ここで言うGen Z(Z世代)とは、おおむね1997年〜2012年生まれの世代を指し、現在まさに新卒・若手として労働市場に参入しつつある層にあたる。Altmanのメッセージはこの世代が「混乱期のど真ん中」でキャリアをスタートさせることを、リスクではなく優位性として捉え直すよう促すものだ。
OpenAIの技術を土台に、OpenAI以上の企業を作れ
Altmanは自社OpenAIへの過度な依存も促していない。むしろ逆だ。
「OpenAIが世に出した技術の上に構築できる企業は多数あり、それらはOpenAIよりもずっと大きく、そして願わくばより重要なものになるだろう。」
Altman自身、2005年に19歳で大学を中退してLooptを創業した経歴を持つ。LooptはGPSを活用して友人の現在地を共有する位置情報ベースのSNSアプリで、Y Combinatorの第1期採択スタートアップのひとつでもある。その後AltmanはY Combinatorのプレジデントを経て、2015年にOpenAIの設立に参画し、現在はCEOを務めている。「新しいことをやれ」というアドバイスは、自らの起業経験に裏打ちされている。
「雇用の黙示録」論には距離を置く
Altmanは一方で、AIによる雇用消滅の議論には慎重な立場も見せている。元記事によれば、AltmanはAI普及が「雇用の黙示録(jobs apocalypse)」をもたらすという主張を否定しており、AIが生産性や効率を大幅に向上させるという広範な約束にもかかわらず、社会や働き方が大きく変わるのにはしばらく時間がかかるという見方も示している。
「変化は来る、ただし今すぐではない」——この温度感は、若者に対する「今すぐ新しいことを始めろ」というメッセージと組み合わさることで、短期的な混乱より中長期的な構造変化への準備を促す内容になっている。