10月12日、Windows Latestが「"We didn't ask for more Microslop": Microsoft promised to fix Windows 11, then dropped 300 AI buzzwords at its big event」と題した記事を公開した。この記事では、Windowsの改善を約束していたMicrosoftが、2年ぶりの大型イベントでAIバズワードを約300回連呼し、ユーザーの反発を招いた一件について詳しく紹介されている。以下に、その内容を紹介する。
「agent」100回、「Windows 11」はたった3回
10月7日に開催された「Windows + Surface」イベント。Microsoftにとって、2024年5月のCopilot+ PC発表以来、約2年ぶりとなる大型Windows関連イベントだった。Satya Nadella、NVIDIAのJensen Huang、Windows責任者のPavan Davuluri が登壇し、事前の期待は高かった。
ふたを開けると、約70分のイベントで登壇者が口にした単語の内訳は以下の通りだった。

- 「agent」「agents」「agentic」:計100回
- 「Copilot」:36回
- 「AI」「models」「hybrid intelligence」等を合計すると約300回
- 「Windows 11」:たった3回
そして「Fix」「bug」「reliability」「stability」は1回も言及されなかった。
これが皮肉なのは、MicrosoftのDavuluri自身が今年3月にWindows 11の品質改善を約束していたからだ。しかも同じDavuluri氏は、「不要なCopilotのエントリーポイントを削減する」とも述べていた。その舌の根も乾かぬうちに、「Copilot」が36回飛び出した。
YouTubeのライブチャットは開始直後から荒れた。
「このイベント、もはや一般消費者向けじゃないよね」
「彼らが何を話しているのか、誰か理解できる人いる?」
StartメニューやFile Explorerへの言及はゼロだった。
唯一盛り上がった瞬間:新しいWindowsサーチ
約70分のイベントで、ライブチャットが一瞬ポジティブに転じた場面がある。WinUI 3ベースで刷新されたWindows Searchの発表だ。

新しいSearchはインライン操作に対応しており、マイク音量の調整、ダークモードへの切り替え、スクリーンショット撮影、ウィンドウ整列、テキスト送信といった操作を検索バーから直接実行できる。今年後半にリリース予定とされている(「Bing検索」の結果が残っている点は引き続き賛否あり)。
「これは実際いいな」「WindowsにずっとなかったSpotlight相当のやつだ」
ライブチャットの反応は珍しく好意的だった。
Windowsの検索機能は今年を通じて地道に改善されてきた。2文字からのファイル検索への対応や、9月更新でのウェブ結果オフ機能追加など、実用的な改善が続いていた。こうした積み重ねを5分でまとめて紹介するだけで、印象はかなり違っていたはずだ。
「Microslop」と怒号:ユーザーが本当に求めていたもの
ライブチャットとXへの投稿は、記事の表現を借りれば「brutal(容赦ない)」の一言だった。
「一般Windowsユーザーにとって、これほど意味不明な発表が今まであったか?」
「パフォーマンスも、日常的な改善も、デザインも、ブロートウェア削除も何もなかった。100%がAIの話だった」
「AIを減らせ、RAMもCPUもGPUの使用率も減らせ……自分のPCをAIデータセンターにしたくない」
タイトルにある「Microslop」は、Microsoft+スロップ(slop:粗悪なAI生成コンテンツを指すネットスラング)を合わせた造語で、ユーザーの間で使われ始めている表現だ。
また、PCの購買動向も逆風を示している。記事によれば、直近のPC出荷台数は20%急落しており、「AIがPCを売る」という前提が崩れつつある状況での1時間AIトークは、さらに傷口を広げた形だ。
技術的には悪くない発表もあったが
記事は批判一色ではなく、一部の発表は評価している。
ハイブリッドインテリジェンス(処理をローカルとクラウドで動的に切り替える仕組み)や、Microsoft Execution Containers(AIエージェントがアクセスできるファイルやネットワークをポリシーで制限するコンテナ技術)は、開発者・エンタープライズ向けとして筋の良いアイデアだとしている。
ただし記事は冷静に付け加える——「ほとんどのユーザーはローカルLLMを動かしていない。ラップトップが速く起動して、アップデートで壊れないことを望んでいる」。
今年末までに予定されている8GBRAMの最適化についても言及はなく、ライブチャットでは「8GB最適化の約束はどこへ行った?」という声が上がった。
次のWindowsイベントはWindowsの話をしてほしい
記事はMicrosoftがAppleのような収録済み基調講演でなくライブ形式を選んだ点を評価しつつ、次回への要望を明確にしている。「26H2で何が変わったかを説明する」「8GB最適化のような約束に期限を示す」「WinUIが置き換えた古いダイアログの数を示す」——UIの一貫性のなさは今もWindowsへの批判の定番だからだ。
「200ドルのラップトップで同じことをやって、どれだけ速いか見せてくれ」
AIをなくせという話ではない。だが「WindowsのイベントはWindowsから始めてほしい」というのが、ユーザーの総意だった。
詳細は"We didn't ask for more Microslop": Microsoft promised to fix Windows 11, then dropped 300 AI buzzwords at its big eventを参照していただきたい。