10月7日、InfoWorldが「Cursor writes all my code now」と題した記事を公開した。AIコーディングエージェントCursorに全コードを任せるようになった開発者の実体験を通じて、AIコーディングの現在地について詳しく紹介している。
「コードを書く」という行為が終わりつつある
「今は何の仕事をしているの?」——ジムで知り合った人に聞かれたとき、著者は「ソフトウェアを書いている」と答えかけて、ふと気づいた。自分はもうコードを書いていない、と。
本記事の著者(InfoWorld寄稿者)は、Cursorに全てのコードを書かせるようになった経緯を、実務での具体的なエピソードとともに語っている。
Cursorがマルチスレッドのバグを20件以上発見した話
記事で最も印象的なエピソードが、マルチスレッドのバグ検出だ。
著者のチームでは、Cursorをプルリクエストのレビュープロセスに組み込んでいる。そこで著者自身が書いたコードをCursorに解析させたところ、**レースコンディション(競合状態)が発生しうるシナリオを20件以上**発見された。そしてCursorはそれらを、数分で修正した。
「少し情けない気持ちになったが、エージェントがユーザーより先にこれらの問題を見つけてくれたことは嬉しかった」
マルチスレッドのバグは、エンジニアなら誰もが苦しんだことのある難問だ。複数のスレッドが共有リソースにアクセスするタイミングの問題(レースコンディション)は、再現が困難で、本番環境でのみ顕在化することも多い。著者は「私たちの頭にはすべての可能性を保持するだけのRAMがない」と表現している。
変化が起きるのに、ほとんど時間はかからなかった
著者が強調するのは、この変化の速さだ。
「数ヶ月前、私たちはまだコードを書いていた。それが突然、気がついたらコーディングエージェントを常用するようになっていた。あまりに速く起きたので、いつそうなったか思い出せないほどだ」
記事では、Ruby on Railsの作者であるDavid Heinemeier Hansson(DHH)の発言も引用されている。DHHは「鉛筆を置け」と表現し、コーディングエージェントへの移行を促したとされる。
※編集部の考察:本文中のDHH発言・Rails World登壇・37signalsの取り組みへの言及については、元記事に記述があることを確認しているが、引用元URL(world.hey.com、YouTube等)は編集部が補足的に付加したものである。元記事に直接リンクが掲載されているわけではない。
DHHが率いる37signals(BasecampやHeyを開発した企業)は、もともとウェブアプリとして製品を構築してきた。複数のOSやデバイスに対応するにはウェブが最も効率的だったためだ。しかしコーディングエージェントを活用することで、人間がコードを書いていたときには到底実現できなかった、各プラットフォームへのネイティブアプリ対応が可能になると述べている。
「コードを書く職業」から「AIと共にソフトウェアを開発する職業」へ
著者は記事の末尾で、自身の肩書きの変化を次のように表現している。
「次に職業を聞かれたら、『コードを書いていた。今はAIと共にソフトウェアを開発している』と答えるつもりだ」
Hidden Figures(邦題:ドリーム)を引き合いに出しながら、かつてNASAで計算を手で行っていた女性たちが、コンピュータの登場とともに「プログラマー」へと転身した歴史と、現在の状況を重ねている。コンピュータが「計算する」という行為を変えたように、コーディングエージェントが「コードを書く」という行為を変えつつある——著者はそう主張する。
記事の主張はシンプルだ。コーディングエージェントへの移行は、今まさに起きており、その速度は多くの開発者が実感するよりも速い。
詳細はCursor writes all my code nowを参照していただきたい。