10月2日、Sergio De Simoneが「DigitalOcean Managed Agents Brings Managed Cloud Infrastructure to AI Agents」と題した記事を公開した。DigitalOceanがAIエージェント向けのマネージドクラウドインフラサービス「Managed Agents」をパブリックプレビューとして公開したことを伝える内容だ。アイドル時の自動停止と16,000以上のツール連携を組み合わせた設計が特徴で、エージェントを本番環境で動かす際の「実行環境の構築・管理」という泥臭い作業をプラットフォーム側に委ねられる点が開発者の注目を集めている。
AIエージェントの「インフラの面倒」をDigitalOceanが引き受ける
AIエージェントを本番環境で動かす際の最大の課題のひとつが、エージェント自体の開発よりも実行環境の構築・管理に手間がかかるという問題だ。従来のVMでエージェントを動かす場合、開発者はコンテキストの保存、成果物の永続化、並列処理の調整、ツールへのセキュアなアクセスといった「配管作業」を自前で実装しなければならない。さらに、エージェントが素早く起動できるようにVM容量を確保しておく必要もある。
DigitalOcean Managed Agentsは、こうした課題を解消するためのマネージド基盤として登場した。中核となるのは2つのサービス、Harness RuntimeとAction Gatewayだ。
Harness Runtime:隔離microVMで動くセッション管理基盤
Harness Runtimeは軽量なmicroVM上に構築された、エージェントの実行環境だ。従来のコンテナと異なり、microVMはVM級の隔離性を保ちながら起動が速い。このRuntimeが提供する機能は以下のとおりだ。
- セッションの一時停止・再開・フォーク:会話履歴と作業状態を跨いで保持し、必要に応じて別のセッションに分岐できる
- アイドル時の自動停止:LLM呼び出しもツール呼び出しも発生していない状態(idle)を検知して自動的にセッションを一時停止する
- 並列セッション起動:複数のリポジトリやタスクをまたいで、divide-and-conquer、collaboration、map/reduceといったワークフローをサポートする
- 内部サービスへのプライベート接続:外部に公開せずに内部サービスへアクセスできる
対応ハーネスには、Claude Code、Codex CLI、OpenCodeといったコーディングエージェントのほか、汎用エージェントのHermesや、LangGraphを使ったカスタムエージェントが含まれる。
Action Gateway:16,000以上のツールへのセキュアなアクセス窓口
Action Gatewayは、エージェントが外部ツールやサービスを利用するための統一エンドポイントだ。MCP(Model Context Protocol)を介して現在16,000以上のツールを提供している。
利用可能なツールの例:
- Web検索・Webフェッチ・ブラウザ自動操作
- DigitalOceanのインフラ管理API
- GitHub、HubSpot、Stripeなどの外部サービスコネクタ
セキュリティ面では、エージェントごとに使用できるツールと操作を定義する集中型パーミッション管理を実装。機密操作には人間の承認を求める仕組みも備える。また、複数エージェントが同時に外部システムへアクセスするケースに向け、レート制限・リトライ・バックオフ・タイムアウトも提供する。
エンジニアの反応
X上では開発者から肯定的な評価が上がっている。Dair.aiを立ち上げたElvis Saraviaはこう述べた(※肩書きは元記事記載の情報に基づく)。
Very exciting. I like the focus on performance and cost reduction, since many other agent management platforms are cost-prohibitive and make it hard to scale agents in production.
— Elvis Saravia (@omarsar0)
SeaotterのプラットフォームアーキテクトRyan Martinも次のようにコメントした。
Pause-when-idle + governed tools is the ops pattern that scales.
— Ryan Martin (@RyanRayMartin)
なお、上記XへのリンクはURL形式の都合上、将来的にリンク切れとなる可能性がある。元記事も合わせて参照されたい。
Docker Cloud Sandboxesとの棲み分け
DigitalOcean Managed Agentsは、先月公開プレビューが始まったDocker Cloud Sandboxesとほぼ同時期のリリースとなり、サンドボックス・ランタイム層での重複が目立つ。両者ともmicroVMによる隔離と状態永続化を提供するが、重心が異なる。
- Docker Cloud Sandboxes:ローカルとクラウド間でサンドボックスを移動できる、開発者ワークフロー寄りの設計
- DigitalOcean Managed Agents:本番インフラとオーケストレーション・ツールサポートに重点を置いた設計
AIエージェントの本番運用が現実的なテーマになるにつれ、こうしたインフラ層の整備競争も加速している。
詳細はDigitalOcean Managed Agents Brings Managed Cloud Infrastructure to AI Agentsを参照していただきたい。