9月25日、The Next Webが「ChatGPT's AI referral traffic doubled this year, BrightEdge says」と題した記事を公開した。AIチャットボット経由の参照トラフィックという新興指標において、ChatGPTが競合を圧倒的に引き離している実態が、検索マーケティング企業BrightEdgeのデータで明らかになった。生成AIの普及が叫ばれて久しいが、「実際にウェブへ人を送り出す力」という実利的な観点では、勝者がほぼ一社に収斂しつつある——SEOやコンテンツ戦略の前提が静かに塗り替えられていることを示すデータとして注目したい。
ChatGPTがAI参照トラフィックの95%超を占有
検索マーケティング企業BrightEdgeの最新データによると、2026年8月にAIチャットボット経由でウェブサイトへ送られた参照トラフィックのうち、ChatGPTが占める割合は**95.1%に達した。これは今年最高の数字だ。1月から8月にかけてのChatGPT参照トラフィックの成長率は101%**と、ほぼ倍増している。
2位以降は大きく水をあけられている。8月の内訳はGeminiが**2.4%、Perplexityが1.1%、Claudeが0.8%**。ChatGPTは3社合計の約22倍のトラフィックを送り出している計算だ。
8月だけで36%増——何が起きたのか
月次で見ると、ChatGPTの参照トラフィックは8月単月で36%増と、今年最大の月間伸び率を記録した。同月、Geminiはわずか1%増にとどまり、ClaudeとPerplexityはそれぞれ15%減、17%減と後退した。
BrightEdgeはこの急伸の背景として、OpenAIによるChatGPT強化の動きを挙げている。昨年12月にSam Altmanが「コードレッド」を宣言して以降、OpenAIは製品改善に注力してきた。BrightEdgeのCEO兼共同創業者Jim Yuは次のようにコメントしている。
「際立っているのは、ChatGPTが単にシェアを取り戻しているだけでなく、年初と比べてウェブへ送り出すユーザー数そのものが大幅に増えている点だ」
BrightEdgeの観測によれば、年初はユーザーが「最も進化して見えるチャットボット」に素早く乗り換える動きが顕著だったという。その流動的な状況を経て、ChatGPTが再びシェアを固めた形だ。
参照トラフィック以外の指標でも圧倒
BrightEdgeの別の調査でも、OpenAIの優位は確認されている。
- AIエージェント活動(ユーザーの代わりにAIがウェブを閲覧する行動):6月時点でOpenAIが**96%**を占有
- AIクローラーによるモデル学習・検索インデックス構築目的の訪問:OpenAIが全体の約半数を担う
- AIエージェントのリクエスト数:通常の検索100訪問に対して、AIエージェントは約88リクエストを発生させている
最後の数字は、AIがウェブインフラに与える負荷の大きさを示す指標として興味深い。
市場全体では「断片化」も進行中
一方で、異なる見方もある。Similarwebは7月に「AI検索は複数のアシスタントへと断片化しつつある」と報告している。Geminiは8月に月間10億ユーザーを達成し、ChatGPTも6月に同じ節目を超えた。ユーザー規模では複数のプレイヤーが並びつつあるが、参照トラフィックという「実際にウェブへ人を送り出す力」においては、ChatGPTとその他の差は依然として大きい。
なお、BrightEdge自身はブランドがChatGPTや他のAIエンジン上でどう表示されるかを追跡するツールを販売している企業だ。元記事もこの点を明示したうえでデータを紹介しており、数字の解釈にはその点を念頭に置く必要がある。
AIチャットボット経由の参照トラフィックは、従来の検索エンジンと比べればまだ小さい。しかしBrightEdgeは「1年足らずで73%増」というペースを強調しており、SEOやコンテンツ戦略の文脈でAIプラットフォームへの対応を検討する動きは今後も加速しそうだ。
詳細はChatGPT's AI referral traffic doubled this year, BrightEdge saysを参照していただきたい。