9月11日、RuntimeWireが「OpenAI will pause $200 Pro subscriptions as Astra strains capacity」と題した記事を公開した。GPT-6 Astraのリリースからわずか7日でOpenAIのインフラは限界を迎え、月額200ドルのChatGPT Proプランの新規受け付けを一時停止するに至った。フラッグシップモデルの展開が推論キャパシティによって制約されるという事態が、図らずも公開された形だ。
Proサブスク新規停止——Astraリリースからわずか7日
発表したのはOpenAIのCodexを率いる幹部、Thibault "Tibo" Sottiaux(@thsottiaux)で、9月10日にXへの投稿で明らかにした。
引き金となったのは**GPT-6 Astraの負荷だ。OpenAIが9月3日にGPT-6 Astraをリリースし、ChatGPT Plus・Pro・Business・Enterpriseおよびすべての外部チャネル(API、Microsoft Azure、AWS Bedrock)への展開を始めたところ、Proユーザーによる利用がシステムに想定を超える負荷をかけた。停止決定はリリースからわずか7日**という速さだ。
Sottiaux本人の言葉を引用する:
"These put the most strain on our systems"(最もシステムに負荷をかけているのはこれらだ)
「これら」とは$200 Proサブスクリプションを指す。
なぜProが突出して重いのか
GPT-6 Astraはコーディング、コンピュータ操作、リサーチ、ドキュメント生成といった長時間・高計算量のタスク向けに設計されたモデルだ。従来のGPT-4系列やGPT-5と比べ、長期的な文脈保持と複数ステップにわたる自律的タスク実行に特化しており、単発の応答生成とは異なる推論リソースを継続的に消費する。
特にCodexとの連携では、複数ステップにわたるソフトウェアエンジニアリングジョブの実行や、コンテキストウィンドウをまたいだノートの保持が可能だ。こうした「長いセッション」を継続的に走らせる使い方は、通常のチャットトラフィックと比べてプロビジョニングが格段に難しい。そしてProユーザーはまさにそのような重い使い方を目的として$200を支払っている層であるため、負荷が集中する構造になっている。
さらに、Pro・Business・Enterpriseの顧客には通常より高い計算資源を優先的に割り当てるAstra Proモード(GPT-6 Astraの高性能動作モードで、Plusユーザーには提供されない)も提供されており、この点でもPlusユーザーよりシステム負荷が高くなっている。
既存ユーザーへの影響と開発者への代替手段
Sottiaux は既存のProサブスクライバーはアカウントとGPT-6 Astraへのアクセスを維持できると明言した。新規申し込みのみを止め、Plus・Business・Enterpriseプランおよびあらゆる下位プランは引き続き申し込み可能だ。
開発者に対しては**API経由でのGPT-6 Astra利用**が引き続き開放されている。料金体系は以下の通りだ:
- 入力トークン:**$10 / 100万トークン**
- 出力トークン:**$50 / 100万トークン**
- 272,000入力トークンを超えるプロンプトには追加料金
OpenAIにとって、API経由は消費量に応じた従量課金のため需要コントロールが容易だ。月額定額制のProとは異なり、重いエージェント実行が発生しても収益とコストのバランスが取りやすい。Sottiaux自身も「Proアカウントが最大の負荷源」と認めながら、それが最も収益の高い個人向けプランであることは矛盾をはらんでいる。
インフラの限界が先に来た
今回の停止措置はOpenAIにとって「フラッグシップモデルの展開が推論キャパシティによって制約される」という事態を図らずも公開した形だ。Sottiaux は9月9日の段階で「GPT-6 Astraへの需要は前例のないレベル」と警告し、既存顧客のサービス維持を優先すると述べていた。
SottiаuxはCodexリードを務める前、Google DeepMindでGemini向けの人間データ業務を統括し、AI・機械学習のワークフローインフラを構築していた経歴を持つ。彼が今回の発表の「窓口」を担っていること自体、これが単なる価格施策ではなく運用上の緊急対応であることを示している。
詳細はOpenAI will pause $200 Pro subscriptions as Astra strains capacityを参照していただきたい。