9月3日、Digital Trendsが「Claude can now use your computer while you get other things done」と題した記事を公開した。AnthropicのAIアシスタント「Claude」が、ユーザーの操作を妨げることなくバックグラウンドでデスクトップを自律操作できるようになった——AIによるPC操作の最大の欠点だった「画面の乗っ取り問題」をついに正面から解決した機能だ。
「画面を乗っ取らない」バックグラウンド操作が実用化
これまでAIによるコンピュータ操作(Computer Use)の最大の欠点は、AIが作業中はユーザーがマウスやキーボードを使えなくなるという点だった。Anthropicが今回ロールアウトしたアップデートはその問題を正面から解決している。
ClaudeがバックグラウンドウィンドウでPCを操作する——つまり、ClaudeがGmailを開いたりアプリをクリックしたりしている最中も、ユーザーはブラウザを使い、コードを書き、何でも好きなことができる。
公式アカウントの告知ツイートでも端的に説明されている:
Claude can now use your computer in the background in Claude Cowork and Claude Code. Give it something to do on your desktop and Claude clicks, types, and opens apps just like you would, while you work on something else.
— Claude (@claudeai) September 2, 2026
技術的な制御も細かく配慮されている。Claudeはユーザーが入力操作を行っている間はマウスやキーボードの制御を取らない設計になっており、フルスクリーン表示が必要になった場合にのみ割り込みが発生する。その際もセッションごとに1度だけ許可を求める設計で、繰り返し中断されることはない。
なお、本機能は「Claude Cowork」と「Claude Code」の両環境で利用可能だ。Claude CoworkはClaude Desktop上で動作する統合ワークスペース機能で、ファイル操作・ブラウザ操作・外部ツール連携をひとつの画面から扱える環境を指す。Claude Codeはターミナルベースのコーディングエージェントであり、今回のアップデートでどちらもバックグラウンドPC操作に対応した。
ツール選択の優先順位:いきなり画面操作はしない
Claudeがタスクを受け取ったとき、画面をクリックしてまわるのは最後の手段だ。以下の順序でアプローチする:
- コネクタ(Gmail、Google Drive、Slack等)が使えるか確認 → 使えれば最速ルート
- ブラウザ操作(Claude Desktop内蔵ブラウザ、またはChromeのClaude拡張)
- 画面直接操作 → 専用コネクタのない社内ダッシュボードや業務ツール向け

この設計は理にかなっている。APIやブラウザ操作のほうが安定性が高く、スクリーンOCR頼りの操作よりエラーが少ないため、実用上の精度が上がる。
何を任せられるか
記事では具体的なユースケースとして2つが挙げられている:
- 競合分析レポートの作成:ローカルファイルや連携ツールから情報を収集し、レポートにまとめる
- アプリのUX検証:スマートフォンシミュレータを起動し、開発中のアプリを操作してUX上の問題を検出・報告する
さらに、タスクが物理マシンに依存する場合でも、PCの電源が入っていれば席を離れた後も処理が継続するという点が強調されている。長時間の自動化タスクに向いた設計だ。
利用条件と有効化方法
現時点ではベータ機能として提供されており、対象は以下の通りだ:
- プラン:ProおよびMax
- 対応環境:macOSおよびWindows
- 対応ツール:Claude CoworkおよびClaude Code
有効化は Settings → General → Computer use から行う。Anthropicは、有効化前にCoworkの安全な使用方法についてドキュメントを読むよう推奨している。
Computer Use機能はAnthropicが2024年に公開して以来、開発者の間で関心を集めてきた。当時はAPIベースの実験的機能として提供されており、利用にはある程度の技術的な知識が前提とされていた。今回のアップデートはその制約を大きく緩和するものであり、一般ユーザーが日常ワークフローの中で実際に活用できるレベルに近づいた形だ。
詳細はClaude can now use your computer while you get other things doneを参照していただきたい。