8月28日、Quesmaが「OpenAI Codex pricing: the $270 PR a $200/month sub covers daily」と題した記事を公開した。OpenAI Codexの実際のコストを実験データで検証し、Claude Codeとの価格体系を比較した内容だ。
$200/月のサブスクが「1日で溶けた」実験
Quesmaは、OpenAI Business ChatGPT & Codex(**$25/seat/月)プランに契約し、オーバーフロー上限として$270を設定**した。結果、典型的な1本のPR(プルリクエスト)対応で24時間以内にその上限を使い切り、週次の予算を使い果たした。
実際の請求額は**$283。その内訳で特に痛かったのが「ファストモード」だ。誤って有効化したまま作業を続けてしまい、$110がファストモードの割増料金**だった。通常の2倍レートで課金されるこのモードは、OpenAI Businessの組織全体で無効化する手段がないという。Claude Codeでは組織管理者が承認しないと有効化できないため、この点はCodexの明確な欠点だと元記事は指摘している。
一方、Codexのデフォルト設定は自動コンパクション(コンテキスト圧縮)の処理が優秀で、長文コンテキストのキャッシュミスを回避できる。キャッシュ利用に追加料金も発生しない。
シートプランとトークン課金の価格差
$283の請求は、**$200/月のサブスクリプション内に収まる**コスト相当だという逆説的な事実がある。つまりシートプランに入っていれば、同じ作業量が定額で賄える計算だ。
元記事の試算では、シート料金とトークン換算の差は約70倍とされており、Claudeの約40倍と比べてもOpenAIのシートプランの割安度は高いという。ただし元記事自身が明記しているとおり、この数値はOpenAIが一時的に付与した追加リセット(5回分)の影響を受けている可能性があり、通常運用での再現性は保証されない点に注意が必要だ。タイトルの「70倍安い」という数値はこの留保付きで読む必要がある。
AnthropicとOpenAIの価格体系の収れん
元記事によれば、OpenAIとAnthropicの価格構造は現在、ほぼ同一に近い形に整理されている。
| ティア | OpenAI (Codex) | Anthropic (Claude Code) |
|---|---|---|
| バジェット | ChatGPT Go ($8/月)、Plus ($20/月) | Claude Pro ($20/月) |
| 個人向け上位 | ChatGPT Pro 5x/20x ($100/$200/月) | Claude Max 5x/20x ($100/$200/月) |
| チーム標準 | Business、$25/seat/月 | Team、$25/seat/月 |
| チームプレミアム | Business Premium、$125/seat/月 | Team Premium、$125/seat/月 |
| エンタープライズ | カスタム価格+APIレート | $20/seat+APIレート |
大きな差はバジェット層にある。OpenAIはリセット単位が週次のみであるのに対し、Claude Proには時間制限があり、大きなリポジトリでは1本のPRすら完結しないケースがある点を元記事は言及している。
2026年8月には有料リセットの実験も始まっており、Plus向け$8、Pro 5x向け$40、Pro 20x向け$80という設定が示されている。
エンタープライズ向け推奨戦略
Quesmaが提示する導入戦略は以下の3段階だ。
- 探索フェーズ:個人プランを経費精算。シートプランの補助金効果が最大になる段階で、大量に使って慣れることが重要
- 展開フェーズ:Teamプランをできるだけ長く維持する。複数のプランやプロバイダーを並用してアップグレードを遅らせる
- エンタープライズ移行:必要になるまで避ける。移行する場合はコスト監視と上限設定を必ず整備する
OpenAIは既存AnthropicエンタープライズユーザーへのDiscountに積極的で、2ヶ月無料などの条件を交渉できる可能性があるという。複数プロバイダーを並走させながら状況を見ることが、現時点での現実的な戦略だと元記事は結論づけている。
詳細はOpenAI Codex pricing: the $270 PR a $200/month sub covers dailyを参照していただきたい。