8月27日、PCMagが「Nvidia CEO: We've Achieved AGI, But It Doesn't Really Matter」と題した記事を公開した。NvidiaのCEO Jensen Huangが前年比106%増という圧倒的な決算を発表した同日、「AGIはすでに達成した、だがその定義はもはや意味をなさない」と宣言したことが業界で波紋を呼んでいる。
「AGIは達成済み、でもどうでもいい」
Nvidiaの決算説明会(2026年8月27日)で、Jensen HuangはAGIについて踏み込んだ発言をした。
「多くのタスクにおいて、我々はすでにAGIを達成したと言える。あれこれのマイルストーンはもはや意味をなさない」
AGI(Artificial General Intelligence)とは、人間と同等以上の知的能力を持つ汎用AIを指す概念で、OpenAIやDeepMindをはじめとする多くのAI企業が長期目標として掲げてきたものだ。定義は論者によって大きく異なり、この曖昧さ自体が今回の発言の核心にある。
HuangがAGIより重視するもの
HuangはAGIを定義することなく、むしろ「今のAI産業で本当に重要な3点」を挙げた。
- AIが生産的で有用な仕事をしていること
- AIが収益を生むトークンを生成していること
- コンピューティングリソースが増えれば、さらに多くの収益トークンを生成できること
「これがまさに我々が今いるフェーズだ」とHuangは述べた。また、AIを単に指示に従って動かすだけでなく、エージェント(自律的に動作するAIプログラム)がタスクを繰り返しながら「再帰的に」自己改善する段階に入っていると指摘した。
AIバブルへの懸念が高まる中、OpenAIやAnthropicといった主要プレイヤーがいまだ収益化を証明できていない現状を踏まえると、HuangのこのコメントはAI投資の正当性を訴える文脈で解釈できる。
Nvidiaの業績:四半期売上が前年比106%増
AGI論争はさておき、Nvidiaの業績は圧倒的だ。2027年度第2四半期(Nvidiaの会計年度ベース。暦年では2026年)の売上は962億ドル、前年比106%増を記録した。
ただし、ボトルネックも露呈している。AI需要に起因するメモリ不足が深刻で、CFOのColette Kressは「メモリの価格高騰が予想を超える水準で進んでおり、来年さらに上昇する見込み」と述べた。この不足は少なくとも2028年初頭まで続くとNvidiaは見ており、GPU価格全体への波及も懸念される。
「AGI達成」発言は今回が初めてではない
Huangが今回のような発言をするのは初めてではない。2026年初頭にLex Fridmanのポッドキャストに出演した際も「AGIはすでに達成された」と示唆し、「今日のAIはバイラルになって数十億ユーザーを集めるアプリを作れる」と述べている。ただしその同じ場で「10万のAIエージェントがNvidiaを構築する確率はゼロだ」とも付け加えており、AGI達成の「範囲」に自ら留保を置いている。
AGIの定義が論者によって大きく異なる以上、「AGI達成」という言葉自体がマーケティング的文脈で機能しやすい状況になっている。LLM(大規模言語モデル)では永続的な記憶の欠如や論理理解の限界、ハルシネーション(事実と異なる出力)の問題が残るとして「LLMではAGIは達成できない」と批判する声も根強い。
詳細はNvidia CEO: We've Achieved AGI, But It Doesn't Really Matterを参照していただきたい。