8月25日、The Decoderが「Meta's paid AI agent Hatch launches soon, with a new model called Watermelon due in October」と題した記事を公開した。Metaが初の有料AI製品となるエージェント「Hatch」を数週間以内にリリースし、10月には新モデル「Watermelon」も投入する計画であることが、The Informationの入手した社内文書から明らかになった。月額最大199.99ドルという価格設定はOpenAI「ChatGPT Pro」(月額200ドル)と真っ向から重なり、AIエージェント市場の競争が本格化しつつある。
月額最大200ドルの有料AIエージェント「Hatch」
The Informationが入手した社内文書によれば、Metaは数週間以内にAIエージェント「Hatch」をリリースする予定だ。Hatchは社内向けに運用してきたエージェント「OpenClaw」(Meta社内で開発・利用されてきたタスク自動化エージェント)のコンシューマー向け製品として位置づけられており、Metaにとって初の有料AI製品となる。
料金体系は段階的なティアを検討中で、プレミアムプランは月額最大199.99ドルに達する可能性がある。この価格帯はOpenAIのChatGPT Pro(月額200ドル)やGoogleのGemini Advanced(月額19.99ドル〜)と競合する領域に踏み込むものだ。一般消費者向けというよりも、AIを業務・日常の中核に据えるヘビーユーザーをターゲットにした設定といえる。
Metaがこれほど高額な価格設定を検討している背景には、マーク・ザッカーバーグCEOが掲げる「AI投資のマネタイズ」という命題がある。同社はLlamaシリーズのモデル開発や大規模インフラ投資を続けており、広告収入に依存しない収益源の確立が急務となっている。Hatchはその具体的な一手となる。
なぜ今「エージェント」なのか
AIエージェントとは、単一の質問に答えるチャットボットとは異なり、複数のステップにわたるタスクを自律的に実行するシステムを指す。例えば「来週の旅行を手配して」という指示に対し、フライト検索・ホテル予約・スケジュール登録まで一貫して処理するようなユースケースが想定されている。
2024年後半から2025年にかけて、OpenAI(Operator)、Google(Agentspace)、Anthropic(Claude Computer Use)など主要プレイヤーが相次いでエージェント製品をリリースしており、AIの主戦場はチャットからエージェントへと移行しつつある。Metaがここに本格参入することは、業界全体の流れと一致する動きだ。
Hatchが接続するサービスと機能
Hatchは外部サービスとの連携を前提に設計されている。現時点で挙げられているのは以下のサービスだ。
- DoorDash(フードデリバリー)
- Etsy(EC)
- Reddit(コミュニティ)
- Yelp(レビュー・検索)
- Outlook(メール・カレンダー)
また、フィットネストラッカーや旅行プランナーといった機能を備えたカスタマイズ可能なダッシュボードを提供する。単なるチャットボットではなく、日常のタスクを横断的に処理するエージェントとしての役割を担う設計だ。外部サービスとの連携数や深度が、競合製品との差別化を左右する重要な要素になるとみられる。
10月リリース予定の新モデル「Watermelon」
同文書によれば、Metaは「Watermelon」という新しいAIモデルを10月に公開する計画も持っている。WatermelonがHatchの基盤モデルとして採用されるかどうか、また既存モデル群との関係性については現時点で明らかにされていない。
なお、本文中で言及した「Museモデルファミリー」は元記事には明示的な記載がなく、TechFeed編集部が文脈補足として参照したものだが、Watermelonとの直接の関連は確認されていない点に注意されたい。Metaのモデル命名は果物・植物系のコードネームが多く、「Watermelon」もその慣習に沿っている。
WhatsApp上のAIエージェントプラットフォーム
もう一つの動きとして、MetaはWhatsApp上に複数のAIエージェントを組み込めるプラットフォームを構築中だという。詳細は限られているが、WhatsAppは月間アクティブユーザーが20億人を超える世界最大級のメッセージングアプリであり、そのユーザーベースをAIエージェントの配信チャネルとして活用する狙いとみられる。Hatchとの連携も視野に入っている可能性があるが、現時点では両者の関係は明らかにされていない。
ChatGPT Proとの正面競合
今回の報道が示す最大のポイントは、MetaがOpenAIと同水準の価格帯で有料AIサービスに踏み込むという点だ。ChatGPT Proも月額200ドルであり、Hatchのプレミアムプランが同価格帯に設定されれば、ユーザーはどちらに投資するかを直接比較することになる。Metaはソーシャルメディアやメッセージングの巨大なエコシステムを持つ強みがある一方、AI製品としての実績ではOpenAIやGoogleに後れを取っている。Hatchの完成度とサービス連携の充実度が、競争力を左右するだろう。
詳細はMeta's paid AI agent Hatch launches soon, with a new model called Watermelon due in Octoberを参照していただきたい。