8月16日、Joe Fedewaが「I built a markdown note app in less than an hour using Gemini in Android Studio」と題した記事を公開した。この記事では、コードを一行も書かずにGemini in Android Studioを使い、1時間以内にMarkdownノートアプリを自作する手順について詳しく紹介されている。プロンプト1文と参考画像を投げると、10分後には実機で動くアプリが手元に現れた——そのプロセスを追った記録だ。
複数回のやり取りを経てアプリの骨格が完成する
Joe Fedewaは以前にもGemini in Android Studioを使い、Wear OSのウォッチフェイスやwebOSインスパイアのホーム画面ランチャーを作成してきた。今回はそのノウハウを整理し、「ゼロからアプリを作る最短ルート」として提示している。
手順は単純だ。Android Studioをインストールし、新規プロジェクトを「Empty Activity」で作成する。プロジェクトの初期化が終わったら、右サイドバーのチャットアイコンからGeminiを開き、プロンプトを入力するだけだ。
今回のプロンプトはこうだった:
I would like to create a simple note-taking markdown editor app styled after vintage legal pads, like the one in this image. [参考画像を添付]
たった1文と、ぼんやりした参考写真だけで、10分後には動作するアプリが手元にあった。Geminiはコードを書きながら「作業計画」を会話に表示し、確認を求めてくる。「proceed」と返信すると実装が走る。仮想デバイスを使うか、ワイヤレスUSBデバッグで実機に直接デプロイして確認できる。
ただし、これはあくまでスタート地点だ。最初の出力が完璧に動くことはまずなく、ここからGeminiとの往復が本番になる。見出しが示す「骨格の完成」とは、あくまで「動作するラフドラフトが得られる」という意味であり、細部の調整には複数回のフィードバックが前提となる点は押さえておきたい。
初稿はあくまでラフドラフト——Geminiとの往復が本番
最初の出力が完璧に動くことはまずない。Joe Fedewaの体験でも、2つの問題が残った。
- Markdownのプレビューが効いていない(書式が視覚的に反映されない)
- テキストがノートパッドの横罫線とずれている
前者はすぐ修正された。後者は何度かやり取りを繰り返した。なお、MarkdownレンダリングにはAndroid向けのライブラリが使われているが、Geminiが実際にどのライブラリを選択したか(Markwonなど)は、生成されたコードを確認することで把握できる。コードが読めるエンジニアであれば、この段階で使われているライブラリや実装方針を検証しながら進めることも可能だ。
ポイントとして記事が強調しているのは「Geminiが使った用語と同じ言葉でフィードバックを返す」こと。Geminiが「blue horizontal lines」と表現した罫線は、そのまま「blue horizontal lines」と呼ぶ方が通じやすい。
テキストと罫線の位置合わせは、「テキストを罫線に合わせる」ではなく「罫線をテキストに合わせる」という発想の転換で解決した。この種の試行錯誤もGeminiに任せ続ければいい。
完成後はAndroid Studioの「Build > Generate APKs」でAPKを生成し、端末にサイドロードするだけだ。
「コードを書けない人向け」だけではない
このワークフローで重要なのは、プロンプトエンジニアリングの力量がそのまま結果の質に直結する点だ。最初のプロンプトがアプリ全体の設計の土台になるため、「どう表現するか」が後の修正コストを左右する。参考画像を添付できる点も強みで、テキストだけでは伝えにくいビジュアルの方向性を一発で共有できる。
コードが読めるエンジニアであれば、Geminiが生成したコードを確認しながら進められるため、出力の妥当性や採用ライブラリの適切さを判断しやすい。たとえばUIフレームワークとしてJetpack Compose(Googleが推進するAndroidの宣言的UIツールキット)が使われる場合、その構造を把握していれば修正指示の精度も上がる。一方で記事の前提は「コードを一行も書かなくても動く」であり、Joe Fedewaは一行もコードを手書きしていないと明示している。
コードを書けない人にとっては「アイデアを形にする手段」として、コードが書けるエンジニアにとっては「プロトタイピングを劇的に短縮するツール」として、異なる文脈で実用性がある。どちらの立場であっても、Geminiとの対話を通じてアプリを育てていくプロセス自体は共通しており、その対話の質——言葉の選び方、フィードバックの粒度——がアプリの完成度を決める。
詳細はI built a markdown note app in less than an hour using Gemini in Android Studioを参照していただきたい。