8月16日、The Decoderが「Investor pressure forces Nvidia to shrink its OpenAI bet just as Anthropic's numbers defy bubble warnings」と題した記事を公開した。Anthropicの売上高がわずか1四半期で倍増し、年換算で1,000億ドル超のペースに達したことが明らかになった——その同じ週に、NvidiaはOpenAIへの巨額保証を半額近くに圧縮していた。AIバブル論と実需論が鋭く交差した局面を、記事は詳しく伝えている。
Anthropicの急成長が示す実需の強さ
Reutersが報じた数字によると、Anthropicの売上高はQ2に115億ドル超を記録した。前四半期(Q1)からわずか1四半期で倍以上に拡大しており、前年同期比では14倍の成長率だ。
さらに、同社の財務に詳しい関係者によれば、Anthropicは2028年に1,900億〜2,000億ドルの売上を見込んでいるという。同社が5月に公表していた年換算ランレート(現時点の月次売上を12倍して算出した通年換算値)約450億ドルを大きく上回る水準だ。Anthropicは2026年初頭までの3年間、毎年10倍超の成長を続けてきたとしている。
この勢いが続けば、政治的な逆風や中国勢との競争が激化する中でも、プロプライエタリなAIサービスへの需要が拡大していることを示すことになる。Anthropicは9月末から10月初旬にかけて、評価額1兆ドル近くでのIPOを計画しているとも報じられている。
ただし、財務サービス企業のRampは最近、法人顧客におけるAnthropicのトークン需要にわずかな鈍化を観測している点は付記しておく。急成長の持続性について慎重な見方がまったく消えたわけではない。
NvidiaのOpenAI向け保証額、$250Bから$120Bへ半減
Wall Street Journalの報道によると、Nvidiaは当初計画していた2,500億ドル(約37兆円)の保証から大幅に縮小し、1,200億ドル弱の保証にとどまる見通しだ。投資家がNvidiaのリスク集中を懸念し、圧力をかけた結果とされている。
この保証はデータセンター建設の第一フェーズをカバーするもので、約5ギガワットの処理能力を提供する予定だ。OpenAIはSoftBankの子会社でエネルギーインフラ事業を手がけるSB Energyが開発する10ギガワット規模のプロジェクト全体については別途リース契約を交渉中であり、さらにNvidiaはOpenAIのチップ購入(最大3,500億ドル相当)に関する別枠の資金調達についても協議中だという。
AI業界全体で最大の恩恵を受けてきたNvidiaが、投資家の圧力を受けてリスクを半減させたという事実は、AIブームの持続性に懐疑的な論者に格好の材料を与えることになる。
「バブルか実需か」の構図が鮮明に
今回の2つのニュースが同時期に出てきたことで、現在のAI投資をめぐる構図がくっきりと浮かび上がる。
- Nvidia側:投資家がリスク軽減を求め、巨額保証を半減させた
- Anthropic側:売上が四半期単位で倍増し、2028年には2,000億ドル規模を見込む
NvidiaのGPUを大量消費するクラウドAIサービスが実際にこれほどの収益を生み出しているなら、インフラへの大規模投資には一定の合理性がある。一方で、Nvidiaの投資家が「さすがに2,500億ドルは張りすぎ」と判断したのも、それ自体はリスク管理として正当な判断とも読める。AIへの確信と慎重さが同居する現在地を、この2つのニュースは端的に映し出している。
詳細はInvestor pressure forces Nvidia to shrink its OpenAI bet just as Anthropic's numbers defy bubble warningsを参照していただきたい。