8月15日、The Next Webが「OpenAI CFO tells shareholders enterprise revenue has overtaken ChatGPT」と題した記事を公開した。OpenAIの企業向け収益がChatGPT個人向け収益を上回り、収益構造が転換点を迎えたことを伝えている。この転換点の直前には営業トップの離脱という人事的な激震もあり、株主向け説明会は複雑なタイミングでの開催となった。
企業収益がChatGPT収益を上回った
OpenAIのCFO(最高財務責任者)Sarah Friarは8月14日(金)の株主向け説明会で、企業向け(エンタープライズ)収益が個人向け(ChatGPTサブスクリプション)収益を上回ったと明かした。これは同社が当初予測していたより数ヶ月早い転換だ。
Friarは「年初は60対40(個人:企業)でスタートしたが、エンタープライズが想定よりはるかに速く加速した」と述べた。同氏は今年初め、2026年末までに両者が並ぶと予測していた。逆転後の具体的な比率については元記事でも数値の言及はなく、現時点では非公開とみられる。
全体の数字も急速に動いている。OpenAIの年換算売上高(ARR)は400億ドルに達し、1年前のほぼ倍。7月の月次売上は前月比20%増、法人顧客数は32%増だった。
「tokenmaxxing」から「コスト管理」へ
Friarの発言で特に注目したいのが、エンタープライズ顧客の行動変容に関する言及だ。
「エンタープライズ顧客は、tokenmaxxingからインテリジェンス単位当たりのコストへのフォーカスに移行した」— Sarah Friar
「tokenmaxxing(トークンマックシング)」とは、AIの利用コストを気にせず際限なくトークンを消費させること。つまり、企業が従業員に無制限でAIを使わせ、コストや成果を管理していなかった状態を指す。Friarはこの状況が変わり、企業が費用対効果を意識した管理に移行していると述べた。
OpenAI側もこの流れに対応する形で価格引き下げを実施している。最新モデルはエージェント的なコーディングタスクで54%の効率向上を達成したとFriarは語った。
広告事業も立ち上がりつつある
今年2月にChatGPT上での広告テストを開始してから約6ヶ月、広告事業の年換算売上高が10億ドルに近づきつつあるという。本業のAPIやサブスクリプション収益に比べれば小規模だが、新たな収益源として着実に立ち上がっている。元記事では広告フォーマットや対象ユーザー層の詳細には踏み込んでおらず、事業の全容はまだ明らかにされていない段階だ。
幹部の相次ぐ離脱という背景
この説明会はタイミングがデリケートだった。前日には営業責任者のDenise Dresserが就任わずか8ヶ月で離脱し、3日前には長年在籍してきた幹部のBrad Lightcapも退任を発表していた。エンタープライズ収益の急拡大を牽引してきた体制が、まさにその成果が数字に表れた瞬間に大きく変わったことになる。
説明会でGreg Brockman社長はDresserのエンタープライズ基盤構築への貢献に謝意を示しつつ、後任としてDali Rajicを紹介した。Rajicは営業責任者(Chief Revenue Officer相当)としてDresserの後を引き継ぐ形でOpenAIに加わっており、Thriveキャピタル創業者Josh Kushnerの紹介によるものだという。経歴の詳細は元記事でも言及されていないが、Kushnerとの個人的なつながりが起用の経緯として紹介されている。
中国オープンソースモデルとIPOについては言及なし
中国のオープンソースモデルに関する質問に対し、Brockmanは「オープンソースが安いという誤解がある」と述べ、正面からは取り合わなかった。
IPOの時期については、SECへの機密ファイリングを理由に一切言及できないとした。
詳細はOpenAI CFO tells shareholders enterprise revenue has overtaken ChatGPTを参照していただきたい。