8月13日、gHacksが「OpenAI Expands ChatGPT Ads Test to UK, Mexico, Brazil, Japan, and South Korea」と題した記事を公開した。OpenAIがChatGPTの広告テストを英国・メキシコ・ブラジル・日本・韓国の5カ国に拡大したという内容で、月間アクティブユーザー数が10億人に達したAIサービスの収益モデルが大きく転換しつつあることを示す動きとして注目される。
OpenAIは2026年8月11日付のアップデートで、ChatGPTへの広告表示テストを上記5カ国に拡大したと発表した。テストはもともと2026年2月に米国でスタートし、その後カナダ・オーストラリア・ニュージーランドへと段階的に広がっていた。
OpenAIの月間アクティブユーザー数は10億人に達している。これだけの規模を持つサービスが広告モデルに本格的に踏み出すことは、ChatGPT単体の話にとどまらず、AI業界全体の収益構造のあり方を問い直す動きとして見逃せない。有料サブスクリプションを軸にしてきたOpenAIが、無料ユーザー向けに広告というマネタイズ手段を加えることで、GoogleやMetaが長年築いてきた広告エコシステムに正面から参入しようとしているともいえる。
誰に広告が表示されるか
広告が表示されるのは、ログイン済みの成人ユーザーのうち、FreeプランとGoプランのユーザーのみだ。Plus・Pro・Business・Enterprise・Educationの各有料プランには広告は出ない。
なお、Goプランは月額料金がPlusより低く設定された中間的なサブスクリプションで、日本ではまだ認知度が高くないが、Plusへのアップグレードを迷うユーザー向けの位置づけとなっている。
広告を見たくないユーザーには以下の選択肢がある。
- PlusまたはProにアップグレードする
- Freeプランのまま広告をオプトアウトする(ただし、1日あたりの無料メッセージ数が減少する)
オプトアウトしても利用停止になるわけではなく、あくまでメッセージ数の上限が下がる仕組みだ。利用を続けながら広告を回避したい場合は、有料プランへの移行が実質的な選択肢となる。
また、18歳未満と判定されたアカウントには広告は表示されない。加えて、健康・メンタルヘルス・政治といったセンシティブなトピックに関連する会話には広告を表示しない方針をOpenAIは明示している。
広告のマッチング方法とプライバシーの扱い
どの広告を表示するかは、会話のトピック・過去のチャット履歴・広告との過去のインタラクションを組み合わせて決定される。例えば、レシピを調べているユーザーにはミールキットや食料品デリバリーの広告が表示される可能性がある。
OpenAIは広告がChatGPTの回答に影響を与えないと明言している。回答はユーザーにとって最も有益な内容を基準に最適化され、広告は常に「スポンサー」として明示され、回答と視覚的に分離して表示される。
プライバシー面では、広告主はチャット内容・チャット履歴・メモリ・個人情報にアクセスできない。広告主が受け取るのは、表示回数やクリック数といった集計データのみだ。
ユーザーが持つコントロール機能
ユーザー側には以下のコントロールが用意されている。
- 広告を非表示にする(Dismiss)
- 広告に対するフィードバックを送る
- なぜその広告が表示されたかを確認する
- 広告データをワンタップで削除する
- 広告パーソナライゼーションの設定を管理する
- 「広告履歴」ビューで表示された広告をタイムスタンプ・ブランド名とともに確認・削除する
テストの現状と今後の展開
米国でのテスト開始から約6カ月が経過した3月時点で、OpenAIは「消費者信頼度に変化なし、広告の非表示率は低く、関連性の改善を継続中」と報告している。
今後については、さらに多くの国への展開を今年中に予定しているとしているが、具体的な対象国やスケジュールは明らかにされていない。広告フォーマット・目的・購入モデルの拡張も段階的に検討するとしている。
広告に関心のある企業は、openai.com/advertisers でアップデートの登録ができる。
詳細はOpenAI Expands ChatGPT Ads Test to UK, Mexico, Brazil, Japan, and South Koreaを参照していただきたい。