8月14日、PYMNTSが「OpenAI's Revenue Run Rate Tops $40 Billion as IPO Nears」と題した記事を公開した。OpenAIの年間収益ランレートが400億ドルを超え、IPOを前に急速な成長を続けている実態について詳しく報じている。
半年で倍増、年間400億ドルペースへ
Bloombergが8月13日に報じた内容によると、OpenAIの年間収益ランレート(run rate:現在の収益ペースを年換算した推計値)は400億ドル超に達した。これは2025年末時点のランレートからほぼ倍増という水準だ。OpenAIはこの数字についてBloombergへのコメントを断っている。
さらに際立つのが月次の伸び率だ。OpenAI共同創業者でPresident(社長)のGreg Brockmanが社内での新規採用発表の場で言及した内容として、Bloombergは「7月の年間収益ランレートは前月比20%超の増加」と報じた。Brockmanは2024年に長期休暇を取得し、2025年初頭にOpenAIへ復帰した人物で、現在は採用・組織強化を含む社内業務を主導している。
この急成長を牽引しているのは以下の3つだとされる:
- AIコーディングソフトウェア(Codex)の成長
- サブスクリプション販売の拡大
- 新設した広告ビジネス
PYMNTSが5月に報じた内容では、2026年第1四半期の収益は約60億ドル。Codex、法人向け販売、ChatGPT広告のテストが牽引役だった。6月時点では、法人向け売上がすでに収益全体の40%超を占めるまで拡大している。
ライバルAnthropicとのIPO競争
OpenAIとAnthropicはともに非公開で上場申請書類を提出済みで、IPO競争の様相を呈している。Anthropicは今秋にもOpenAIより先に上場する見込みとされる。
Anthropicは5月の時点で自社のランレートが470億ドルを超えたと発表しており、数字の上ではOpenAIを上回る。ただしBloombergは、両社のランレートの算出方法が同一ではない可能性を指摘しており、単純な直接比較には注意が必要だ。AnthropicはClaudeシリーズを主力に法人API販売を急拡大しており、算出基準の違いによっては両社の実力差の解釈が変わりうる。
OpenAIは対抗策として、一部モデルの価格引き下げを実施。Anthropicや中国系の新興AIベンダーとのコスト競争に対応している。また、8月にはこの1年で2人目となるChief Revenue Officer(最高収益責任者)にサイバーセキュリティ業界出身の幹部を起用し、法人営業の強化を図っている。
Codex強化とスーパーアプリ構想
成長の核にあるのがコーディングエージェント「Codex」だ。Codexはクラウド上で自律的にコードを記述・実行・デバッグできるエージェントとして2025年に提供が始まり、法人の開発ワークフローへの組み込みが進んでいる。OpenAIはCodexの法人ワークフローへの適用をさらに拡大するため、Ona(ワークフロー自動化を手がけるスタートアップ)の買収も計画中とPYMNTSは報じている。Onaの技術を取り込むことで、Codexをコーディング単体にとどまらず業務プロセス全般に展開する狙いがあるとみられる。
また、ChatGPTそのものをスーパーアプリとして再構築する計画も進行中で、IPOに向けた事業基盤の多角化を急いでいる状況だ。
収益成長の実態と今後の注目点
400億ドルという数字は、AIツールへの企業需要が依然として旺盛であることを示す。一方で、モデル開発コストの高さや価格競争の激化も同時に進んでおり、トップラインの成長が収益性にそのまま直結するかどうかは引き続き注目が必要だ。OpenAIの費用構造や損益については公式に開示されていない部分も多く、IPO申請書類が公開された際には詳細な財務情報が明らかになる可能性がある。IPOの時期や規模については、現時点ではまだ明確な情報は出ていない。
詳細はOpenAI's Revenue Run Rate Tops $40 Billion as IPO Nearsを参照していただきたい。