8月13日、Search Engine Journalが「Google Gemini Passes 1B Monthly Users, 63% Now Use Voice」と題した記事を公開した。Googleが発表したGeminiアプリの最新データによれば、MAU(月間アクティブユーザー)が10億人を突破し、ユーザーの63%が音声入力を利用しているという。テキスト入力が主流だったAIアシスタントの使われ方が、音声中心へとシフトしつつある実態を示す数字だ。
月間10億ユーザー突破——数字の中身
Googleは2026年8月11日のブログ投稿で、GeminiアプリのMAUが10億人を超えたと発表した。Geminiアプリ担当VPのJosh Woodward氏も同日X(旧Twitter)でこの数字を共有している。
注意すべき点として、この数字はGeminiアプリのみをカウントしたものであり、Google検索上のAI OverviewsやAI Modeは含まれない。また、Googleはこの数字の計測方法や集計期間、「月間ユーザー」の定義については公式発表の中で説明していない。さらに、有料ユーザーが何人いるかも開示されていない。
成長の経緯を時系列で見ると、伸びは一貫して加速している。
| 発表時期 | 月間ユーザー数 |
|---|---|
| 2025年5月 | 4億人以上 |
| 2025年7月 | 4.5億人以上 |
| 2025年10月 | 6.5億人以上 |
| 2026年2月 | 7.5億人以上 |
| 2026年5月 | 9億人以上 |
| 2026年7月 | 9.5億人 |
| 2026年8月 | 10億人以上 |
(出典:GoogleおよびAlphabetの各種開示。日付は各数字が公表された時点であり、各閾値を実際に超えた時点ではない)
音声利用63%——その内訳
今回の発表で最も目を引く数字が「63%のユーザーが音声でGeminiに話しかけている」という点だ。Googleはこのグループが増加傾向にあるとも述べている。
ただし、各数字は異なる母数を基準にしているため、単純に足し合わせることはできない。主要な数字を整理すると:
- **63%**:全ユーザーのうち音声でGeminiと会話しているユーザーの割合
- **約20%**:Gemini Liveセッション(リアルタイム会話機能)のうち、音声だけでなくライブカメラやスクリーン共有も使うインタラクションの割合
- **38%**:学校関連のリクエストのうち添付ファイルが含まれる割合
- 1日1.5億枚以上:Geminiが生成する画像の数
- 1億人以上:iOSユーザー数
Googleが「音声・カメラ・ファイルアップロード」を主要な利用形態として前面に出した一方で、具体的なリファラル数やクリック数のデータは公開していない。
※編集部の考察:音声利用63%という数字は、AIアシスタントがスマートフォンの「話しかける」インターフェースとして定着しつつあることを示唆する。従来のキーボード入力前提のAIツールとは異なる使われ方であり、Googleがモバイルファーストの文脈でGeminiを育ててきた戦略が数字に表れていると読める。OpenAIのChatGPTやAnthropicのClaudeも音声機能を強化しているが、各社ともユーザーの音声利用比率を公開しておらず、63%という数字の業界内における位置づけを直接比較することは現時点では難しい。
40以上のアプリへのタスク自動化——ただし条件あり
Googleは「Geminiが40以上の人気アプリをまたいでタスクを自動化できる」と述べ、ライド配車やレストラン予約を例として挙げた。しかし、この機能(スクリーン自動化)の実態は現状かなり限定的だ。
2026年7月22日のGalaxy Unpackedでの発表では、対応アプリが少数から40以上に拡大したと明かされたが、同発表の脚注には以下の条件が明記されていた。
「対応アプリは米国および韓国のみ。操作を監視し、必要に応じて中断すること。一部のアプリ・デバイス・市場のみ対応。18歳以上。Geminiアプリ上で利用可能。」
Googleのヘルプページによると、この機能はPixel 10およびSamsung Galaxy S26シリーズ、Z Flip 8、Z Fold 8でベータ提供中。対応言語は英語と韓国語のみで、個人アカウントが必要。また、Pixel 10は韓国では非対応だ。
ライド・フード・食料品の注文は全対応デバイスで利用可能だが、商品売買・旅行予約・チケット購入はZ Flip 8およびZ Fold 8以降の端末に限定されている。
Perplexityを上回ったリファラルトラフィック
SEO・マーケティング担当者にとって実務的に関係する数字もある。SE Rankingの調査によると、Geminiは今年に入ってPerplexityを上回るリファラルソースになっているとのことだ。元記事はこの調査へのリンクを明示していないが、AIからのリファラルトラフィックをGoogleアナリティクスなどで計測する手法については、Google公式のヘルプドキュメントも参考になる。
Googleは今後60以上の地域方言への音声入力対応を拡大すると述べており、ユーザー数のさらなる増加が見込まれる。自社アナリティクスでGeminiのリファラルをまだ追跡していない場合は、計測の設定を見直す価値があるだろう。
詳細はGoogle Gemini Passes 1B Monthly Users, 63% Now Use Voiceを参照していただきたい。