8月11日、CNBCが「Nvidia unveils first open-source AI model since CEO Jensen Huang entered the chat」と題した記事を公開した。この記事では、NvidiaがCEO Jensen Huang自身によるオープンソース支持表明から3週間足らずで、オープンソースAIモデル「Nemotron 3.5 Lightning」を公開したことについて詳しく紹介されている。
CEOが「X」に初投稿してから3週間、Nvidiaがオープンソースモデルを公開
NvidiaはNemotron 3.5 Lightningを公開した。ダウンロード・使用・改変が自由で、Nvidiaへの許可取得や支払いも不要だ。
この公開の背景には、Jensen HuangによるX(旧Twitter)への初投稿という異例の動きがあった。7月下旬、Huang CEOはオープンソースAIモデルを支持する公開書簡をXに投稿し、米国政府に対してオープンモデルの支援と「早計な規制の回避」を訴えた。
「オープンモデルは安全性とサイバーセキュリティを強化し、イノベーションを加速し、技術的自立を可能にする」
— Jensen Huang(X投稿より)
この動きの直接的な引き金となったのが、中国のMoonshot AIが開発したKimi K2だ。米国の最先端モデルとの差を一気に縮めたこのモデルをめぐり、政治家たちは国家安全保障上の懸念と、蒸留(distillation)という手法による知的財産侵害の可能性を問題視していた。蒸留とは、高性能なAIモデルの出力を使って、より軽量なモデルを訓練する技術を指す。
※編集部の考察:元記事では「Kimi K3」と記載されているが、Moonshot AIが公開している最新モデルの正式名称については読者各自での確認を推奨する。本文では元記事の表記に準じている。
PCの1枚のGPUで動く「軽量」モデル
Nemotron 3.5 Lightningの最大の特徴は、PCに搭載された1枚のGPUで動作できる軽量設計にあるとNvidiaは説明する。Nvidiaは蒸留技術を用いて、自社の大規模Nemotronモデルと同等の能力を持たせたと述べている。
配布先はHugging FaceとNvidiaの公式サイト。CrowdStrike、CodeRabbit、Harveyといった企業がすでにテストおよびカスタマイズを行っているという。
Nvidiaは同時にNeMo Switchyardというソフトウェアもリリースした。与えられたタスクに対して、最もコストが低く適切なAIモデルを自動的に選択する機能を持つ。複数のモデルを使い分けたい企業や開発者が、コストと性能のバランスを手動で管理する手間を省ける場面で特に役立つと考えられる。
Nvidiaにとってオープンソースが「正しいビジネス」である理由
オープンソースモデルをNvidiaが積極的に推進する動機は明快だ。モデルが無料であっても、動かすにはGPUが必要だからだ。Huang自身、先月のAxiosインタビューでこう述べている。
「無料のAIはハードウェアにとって好都合だ。無料のAIはチップにとって好都合だ。」
— Jensen Huang(Axiosインタビュー)
OpenAIやAnthropicのようなプロプライエタリモデルと比較して、無料モデルは利用量を押し上げる効果がある。Nvidiaにとって、オープンソースAIの普及はそのままGPU需要の拡大につながる構造だ。
なお、Huang投稿から数日後、Nvidiaはマイクロソフトなどとともに、オープンモデルとオープンソースソフトウェアを活用するAI安全コンソーシアムを立ち上げた。
「エージェント」向けに特化した設計
Nvidiaは、Nemotron 3.5 Lightningが特にAIエージェント向けに開発されたモデルだとしている。AIエージェントとは、バックグラウンドで自律的に動作するAIプログラムを指す。昨今、コーディング補助や業務自動化といった用途でAIエージェントへの需要が急速に高まっており、Nvidiaはその用途に照準を合わせた格好だ。
同日、MetaもMark ZuckerbergがオープンソースAI支持の長文マニフェストを公表し、コーディング向けオープンソースモデルを公開した。元記事ではそのモデル名を「Muse Spark」としているが、正式名称および関連リンクの有効性については元記事公開時点での確認を推奨する。オープンソースAIをめぐるビッグテックの動きが一気に加速していることは確かだ。
詳細はNvidia unveils first open-source AI model since CEO Jensen Huang entered the chatを参照していただきたい。