8月10日、PCMagが「Apple's Overhauled Siri AI Is Finally Here. Here Are 12 Ways to Master It」と題した記事を公開した。最大の目玉は、iPhoneの画面に表示されているものをそのままSiriに質問できるという新機能だ。設定画面で迷ったときにその場で音声で尋ねれば、Siriが画面を「読んで」説明と手順を返す。従来のSiriとは次元の異なる体験であり、本記事ではその使いこなし術12項目を紹介する。
Appleは長年にわたってSiriの大幅な改善を約束しながら、リリースを繰り返し延期してきた。背景には、Siriがクラウド処理に依存したパイプライン型アーキテクチャで設計されており、大規模言語モデル(LLM)を後付けで統合する際の技術的負債が大きかったという事情がある。ChatGPTやGeminiがマルチターン会話・画面理解・画像認識を次々と実装するなか、Siriだけが「シングルターンの音声コマンド処理」にとどまり続けた構図だ。それがついにiOS 27で刷新される。
※編集部の考察:元記事はこの刷新を「ついに実現」と表現しているが、ChatGPT・Geminiとの機能差がどこまで縮まったかは今後のレビューを待つ必要がある。
現時点ではiOS 27パブリックベータ版でのみ利用可能だ。元記事の公開時点(2025年8月)では正式リリースが2025年9月に予定されていたが、本記事を読んでいる時点ではすでにリリース済みの可能性がある。最新の配信状況はAppleの公式リリースノートで確認されたい。
対応デバイスはiPhone 15 Pro / 15 Pro Max、iPhone 16シリーズ全モデル、iPhone 17シリーズ全モデルに限られる。Apple Intelligence対応機種が条件となる。ベータ版は不安定な場合があるため、メインのスマートフォンへのインストールは慎重に判断すべきだ。
最も使える機能:画面の内容をそのままSiriに聞く(Tip 5)
従来のSiriは特定のアプリ操作やウェブ検索が主な用途だったが、新しいSiri AIはiPhoneの画面に表示されているものを「見て」理解できる。設定画面で迷ったとき、表示されているオプションの意味を音声で尋ねれば、Siriがその場で説明と設定方法のアドバイスを返す。
取扱説明書を探したり、設定画面をスクリーンショットして検索したりする手間が省ける。スクリーンリーダー的な使い方にも近く、アクセシビリティの観点でも実用的だ。
カメラとSiriの統合:Visual Intelligence(Tip 6)
iOS 18.2で導入されたVisual Intelligence(カメラ越しに物体を認識・説明する機能)が、iOS 27でCameraアプリに直接統合された。
従来はVisual IntelligenceをカメラアプリとSiriで別々に起動する必要があったが、今後はCameraアプリ内のSiriモードに切り替えるだけで済む。カメラを対象物に向けてシャッターボタンをタップすると、Siriが説明を返す。ダイアログバルーンアイコンからSiriアプリに移行して会話を続けることも、写真アイコンからGoogle画像検索を実行することも可能だ。
会話履歴の保存期間を制御する(Tip 9)
新しいSiriアプリは、音声・テキストを問わずすべての会話を記録する。Appleはランダムな識別子に紐付けるとしており、ユーザーIDとは関連付けないと説明しているが、プライバシーを気にする場合は保存期間の設定が必要だ。
Settings > Siri > Keep Conversations から、30日・1年・永久の3択で設定できる。デフォルトがどこに設定されているかは明示されていないため、インストール直後に確認しておく方がよい。
その他のTips:簡潔にまとめ
以下の表はTip 5・6・9を除く9項目の概要をまとめたものだ(上記3項目はそれぞれ個別のセクションで詳述している)。
| # | 機能 | 概要 |
|---|---|---|
| 1 | 音声起動の設定 | 「Siri」または「Hey Siri」のウェイクワードを選択。サイドボタン割り当ても可能 |
| 2 | 声・アクセントの変更 | Settings > Siri > Voice から変更。アクセントのバリエーションも選択可 |
| 3 | 応答方法のカスタマイズ | 音声返答の有無、メッセージの自動送信などを設定 |
| 4 | 名前の発音修正 | 誤った発音を口頭で指摘するだけで、連絡先にフォネティックスペルを自動追加 |
| 7 | 文章作成支援 | キーボード上の「Write with Siri」からメールや文章の下書き生成・修正が可能 |
| 8 | Image Playgroundでの画像生成 | Image Playgroundアプリでスタイル指定・人物指定の画像をSiri AIで生成 |
| 10 | 会話ビューのカスタマイズ | 起動時に「最近の会話」か「新規会話」を表示するか選択。プレビュー行数も設定可 |
| 11 | 会話の管理 | 長押しまたは左スワイプで会話のリネーム・ピン留め・削除が可能 |
| 12 | アクセシビリティ設定 | 発話待機時間、読み上げ速度、非典型的な発話パターンへの対応など10項目以上を調整可 |
Tip 12のアクセシビリティ設定は見落とされがちだが、「Listen for Atypical Speech」(非典型的な発話パターンへの対応)や「Call Hang Up」(「Siri、電話を切って」でFaceTimeを終了)など、実用的な項目が揃っている。通常設定画面ではなく Settings > Accessibility > Siri に配置されているため、存在に気づいていないユーザーも多いはずだ。
詳細はApple's Overhauled Siri AI Is Finally Here. Here Are 12 Ways to Master Itを参照していただきたい。