8月1日、9to5Googleが「Gemini will create mobile & desktop apps in the future as AI Studio for Android, iOS is canceled」と題した記事を公開した。この記事では、GoogleがI/O 2026で予告していたAI Studio公式アプリをキャンセルし、Geminiアプリとの深い統合によってアプリ生成そのものをGeminiの会話体験に組み込む方針へ転換したことについて詳しく紹介されている。以下に、その内容を紹介する。
80万人超が事前登録したアプリを突然キャンセル
GoogleはI/O 2026(2026年5月)において、AI StudioのAndroid・iOSアプリを予告していた。「移動中にアイデアをキャプチャし、デスクに戻る頃には動くプロトタイプが完成している」というコンセプトで、モバイルブラウザからaistudio.google.comを使う代替手段として位置づけられていた。
ところが7月31日、AI Studioチームはこのアプリのリリースをキャンセルすると発表した。キャンセル時点でGoogle PlayおよびApp Storeでの事前登録数は80万人超に達しており、「外出先でソフトウェアを作りたいというニーズが確かに存在する」ことを示す数字だとチームは述べている。
それでも中止に踏み切った理由として、チームは次のように説明している。
「また別のアプリをダウンロードさせるのではなく、まったく異なるアプローチを採ることにした。Geminiとの日常的な会話の中からアプリが自然に生まれてくる体験だ。」
Gemini自身がアプリを生成する世界へ
代替となるのは、GeminiアプリとのDeep Integrationだ。AI StudioチームはGeminiアプリチームと協力し、モバイルおよびデスクトップでこの体験を実現すると表明している。具体的なリリース時期は「後日共有する」とのみ述べられており、現時点では未定だ。
9to5Googleはこの方向性を「生成的ユーザーインターフェース(Generative UI)の自然な次のステップ」と評している。たとえば家庭菜園を始めたいユーザーがGeminiに相談すると、基礎知識の学習・植えた作物の記録・水やりリマインダーを備えたアプリをGeminiがその場で生成する、といったシナリオが示されている。
類似の機能はGemini CanvasとPWA(Progressive Web App)の組み合わせで今日すでに部分的に実現可能だが、ネイティブアプリ、特にAndroidで実現されれば体験の質は大きく変わる、と記事は指摘している。
AI Studioウェブ版は継続
今回の方針転換はモバイルアプリに限った話であり、aistudio.google.comのウェブ版は引き続き開発・提供される。「アイデアからプロンプト、そしてビジネスへ」とつなげたいユーザー向けの開発者ツールとして位置づけは変わらない。なお、モバイルストアの事前登録ページはすでに削除されている。
また9to5Googleは、現時点でAI StudioのPWAがモバイルブラウザ上で問題なく動作していることも補足している。
今回の判断は、Googleが「アプリの数を増やす」方向ではなく「Geminiをプラットフォームとして育てる」方向に軸足を移していることを示している。80万人の事前登録という具体的な需要を確認した上でキャンセルするのは異例の判断であり、Geminiへの集約がどこまで本気かを示す一手と見ることができる。
詳細はGemini will create mobile & desktop apps in the future as AI Studio for Android, iOS is canceledを参照していただきたい。