7月29日、MakeUseOfが「I stopped over-prompting ChatGPT after reading OpenAI's new guide, and my answers got better」と題した記事を公開した。OpenAIが公開した公式プロンプトガイドをもとに、過剰な書き込みを避けることで品質・コスト両面で改善が得られる理由と、具体的な改善習慣を紹介している。
「詳しく書けば良い」は必ずしも正しくない
ChatGPTを使い込んでいるユーザーほど、プロンプトが長くなりがちだ。「詳しく説明すれば精度が上がる」という直感が働くからである。しかしOpenAIが公開した公式プロンプトガイドでは、「簡潔さと必要情報のバランス」が重視されており、不要な情報を削ることで応答品質とコスト効率の両方が向上するケースが多いと示されている。
OpenAIの社内テストによれば、プロンプトを適切に簡潔化することで:
- 評価スコアが10〜15%向上
- トークン消費量が41〜66%削減
- コストが33〜67%削減
という結果が出ている。これらの数値は、あらゆるプロンプトで「短い方が良い」ことを意味するわけではなく、「不要な繰り返しや冗長な指示を取り除いた場合に得られる改善幅」として捉えるべきだ。必要な文脈や条件は引き続き明示する必要がある。
プロンプトを削るための5つの習慣
OpenAIが推奨する具体的なアクションは以下の5点だ。
- 段階的に削る:プロンプトのどの部分が実際に効いているかは試してみないとわからない。要素を一つずつ取り除きながら、何が本当に必要かを確認する。
- 同じ指示を繰り返さない:「簡潔に答えてください。また、余計な情報は含めないでください。」は「簡潔に答えてください。」で十分だ。
- 不要なツールを使わない:ファイル編集タスクで天気APIを呼び出すような、文脈に合わないツール使用は避ける。
- 例示は本当に必要なときだけ:モデルは文脈なしでも多くのケースを正しく処理できる。具体的な方向付けが必要な場面に限って例を示す。
- 会話を必要以上に長くしない:チャットが長くなるほどコンテキストウィンドウ(モデルが参照できるトークンの範囲)が広がり、繰り返しの指示やツール呼び出しによるトークン消費が増加する。
また、「簡潔に」や「短く」という言葉をプロンプトに書いても、必ずしも期待通りの効果が得られないとOpenAIは指摘している。元記事ではAPIパラメータによる応答の詳細レベル制御についても言及されているが、パラメータの正式名称や仕様の詳細はOpenAI公式APIリファレンスで確認することを推奨する。
「AIに何をさせるか」を明示する
最新モデルはマルチタスク処理能力が上がっており、細かく手順を指示しなくても複数の作業をまとめて処理できる。ただし、「何をしてほしいか」の境界線は明確に伝える必要がある。
元記事では英語の課題チェックを例に挙げている:
Check my English literature assignment for reviewing Homer's The Odyssey. Identify grammatical mistakes and prose issues, but don't fix them; provide me with feedback and single out the mistakes so I can fix them myself.
(ホメロス『オデュッセイア』のレビュー課題を確認してください。文法ミスと文章の問題を特定してください。ただし修正はしないでください。私が自分で直せるよう、フィードバックと指摘のみをください。)
「フィードバックをくれ」なのか「直してくれ」なのかをあいまいにすると、モデルは片方あるいは両方を実行してしまう。逆に「変更前に確認を取れ」と指示すると、些細な判断のたびに確認を求めてくるため、これもやりすぎに注意が必要だ。
トーンは形容詞で指示しない
「プロフェッショナルなトーンで」「フレンドリーに」といった指示は直感的だが、モデルの解釈がぶれやすい。「フレンドリーに」と指示すると不適切な冗談を挟んだり、「共感的に」と言うと文脈に合わないトーンになったりする。
代わりに、具体的な文体の方向性を示す。例えばコピーライティングであれば「プロフェッショナルに」ではなく「専門性を示す緊迫感のある文体で」と指示する方が結果が安定する。
長年のプロンプトエンジニアリングで広まった「詳細を書けば書くほど良い」という考え方に対し、OpenAI自身が「簡潔さと必要情報のバランス」を公式に強調した形だ。最大66%というトークン削減幅は、コスト意識の高い開発者・企業ユーザーにとっても無視できない数字である。削ることがプロンプト設計の重要な技術として位置づけられつつある。
詳細はI stopped over-prompting ChatGPT after reading OpenAI's new guide, and my answers got betterを参照していただきたい。