7月27日、The News Pakistanが「Nvidia invests $1 billion in South Korea's Naver to expand AI infrastructure」と題した記事を公開した。NvidiaがNaverに10億ドル(約1,450億円)を出資し、韓国のAIインフラを大幅に拡張する計画だ。背景には、各国が外国依存を脱し自国内でAIモデルの学習・運用基盤を持とうとする「ソブリンAI」構想の世界的な加速がある。今回の出資はその象徴的な一手として注目を集めている。
NvidiaがNaverに10億ドル出資、データセンターを4倍近くに拡張
Nvidiaは韓国のNaver Corp.が新規発行する株式に10億ドル(約1,450億円)を出資することで合意した。この投資により、Naverが運営するGAK Sejong AIデータセンターの容量を、現在の55MWから2028年までに200MWへと約3.6倍に拡大する計画だ。
今回の10億ドルは、総額100億ドル規模のファイナンス計画の一部として位置づけられている。残り最大90億ドルについては、インフラ投資大手のBrookfieldが拘束力のない基本合意書(non-binding term sheet)に署名しており、Naverが追加融資を確保することを条件に出資を検討している。
NvidiaとNaverは2026年6月に韓国における「ソブリンAIインフラ」の構築を目的とした提携を発表しており、今回の出資はその関係を深化させるものだ。ソブリンAIとは、各国が外国企業への依存を減らし、自国内でAIモデルの学習・運用インフラを保有・管理しようとする取り組みを指す。
今回の出資では、NvidiaのDSX AIプラットフォームの展開も支援される見込みだ。DSX(Data Center Experience)はNvidiaが提供するAIデータセンター向けの統合プラットフォームで、GPUクラスターの管理・最適化からAIワークロードの運用までを一元的に担う基盤として位置づけられている。
Naverのビジネス規模と暗号資産取引所買収計画
Naverは日本でも「LINEヤフー」の親会社として知られるIT大手で、韓国国内では検索・EC・コンテンツ・クラウドを幅広く展開している。2025年の年間売上高は約12兆400億ウォン(約81億8,000万ドル)に上る。
注目されるのが、Naverが同時に進める暗号資産関連の大型M&Aだ。韓国最大規模の暗号資産取引所Upbitを運営するDunamuの買収を、103億ドル(約1兆5,000億円)規模で検討していると報じられている。成立すれば、NaverのAI・EC事業と韓国最大の暗号資産プラットフォームが統合されることになる。
ただし、Nvidiaによる出資とDunamu買収のいずれも、現時点では資金調達や規制当局の承認プロセスが残っており、両取引はまだ完了していない。
背景:各国で進む「ソブリンAI」投資の波
Nvidiaは近年、米国内にとどまらず各国政府・企業のAIインフラ整備を積極的に支援している。NvidiaのソブリンAI関連の取り組みページによれば、インド・フランス・日本・シンガポールなど世界各地でソブリンAIインフラの構築が進んでいる。
日本では、ソフトバンクがNvidiaとの大規模なAIデータセンター構築に向けた協議を進めており、数百億ドル規模の投資計画が報じられている。アジア太平洋地域全体で、AIインフラへの巨額投資が相次いでいる状況だ。今回の韓国・Naverへの出資は、その大きな流れの一環として位置づけられる。
各国がAI覇権争いに参入するなか、GPUサプライチェーンの中核を握るNvidiaが出資・提携によって各地のインフラ整備を主導するという構図は、単なる設備投資にとどまらず、地政学的な影響力の拡大という側面も持ち合わせている。
詳細はNvidia invests $1 billion in South Korea's Naver to expand AI infrastructureを参照していただきたい。