7月26日、Amir Bohloolicが「I doubled my Claude Pro usage without paying for Max」と題した記事を公開した。この記事では、Claude Proの使用量制限を追加課金なしに増やせるスケジューリング手法について詳しく紹介されている。
鍵は「5時間ローリングウィンドウ」の仕組み
Claudeの使用量制限を理解するうえで、多くのユーザーが誤解しているポイントがある。「1日単位で深夜にリセットされる」と思い込んでいる人が多いが、実際は異なる。
Claudeは「5時間ローリングウィンドウ」という仕組みを採用している。セッションウィンドウは最初のメッセージを送った瞬間に起動し、そこから5時間が経過するとリセットされる。
具体的に言うと、月曜の午前9時に最初のメッセージを送った場合、セッションウィンドウは9時〜14時の5時間となる。14時を過ぎれば使用量がリセットされ、新しいウィンドウが始まる。つまり、「いつリセットされるか」はClaudeではなく、ユーザー自身がコントロールできる。
なお、ここで言う「セッション使用量制限」は、Claudeが別途設けている週単位のウィークリー制限とは異なる概念だ。構造としては「5時間ウィンドウごとのセッション制限」が日常的に先に機能し、さらにその上位に「週単位の累積制限」が存在するイメージに近い。多くのユーザーにとっては、週単位よりもこのセッション制限のほうが先に引っかかる。
「捨てメッセージ」を早めに送るだけ
この仕組みを理解したうえでBohloolicが実践しているのが、実際に作業を始める数時間前に"捨てメッセージ"を送るという手法だ。
例えば、作業開始が午前9時の場合、9時に最初のメッセージを送ると14時にリセットされる。そこから後半の作業時間でまた使い切ると、次のリセットまで待たされる。
一方、午前6時に「Hi」といった短いメッセージを送っておけば、セッションは6時〜11時で動き始める。9時に本格的な作業を開始した時点で、すでに3時間消化されているものの、11時にリセットがかかり、そこから新しいフルセッションが始まる。作業時間のピークに合わせてリセットのタイミングを引き寄せられる。
ただし、この手法にはトレードオフがある点にも注意が必要だ。捨てメッセージそのものもトークンを消費するため、単純に「損失ゼロで得をする」わけではない。カレンダーのブリーフィングや当日のニュース要約といった有用なタスクを捨てメッセージ代わりに送ることで、消費トークンを無駄にしない工夫をBohloolicは推奨している。
ポイントをまとめると:
- 捨てメッセージでセッションを意図的に早く開始する
- 本格的な作業ピーク直前にリセットがかかるよう逆算する
- 捨てメッセージ自体もトークンを消費するため、有用なタスクと兼ねるのが望ましい
- 結果として、同じ作業時間帯に使えるセッション数が増える
Claude Codeのルーティン機能で自動化
毎朝6時に手動でメッセージを送るのは現実的ではない。そこでBohloolicが使っているのが、Claude ProサブスクリプションにバンドルされているClaude Codeのルーティン機能だ。
このルーティン機能は、Claude Codeのインターフェース上で特定の時刻にClaudeへのメッセージ送信を自動実行するよう設定できる仕組みで、cronジョブに近い役割を果たす。Claude Code自体はターミナル上で動作するAIコーディングアシスタントであり、Claude Proに含まれる形で提供されている。
設定の流れは次のとおり。
- 自分の作業開始時刻を把握する(この記事では午前10時)
- 捨てメッセージを送るべき時刻を逆算する(午前6時30分など)
- Claude CodeのTerminalまたはWeb UIでスケジュールを設定する
Bohloolicは6時30分に1通目(セッション:6時30分〜11時30分)、11時40分に2通目(セッション:11時40分〜16時40分)というスケジュールを組んでいる。この設定では、主な作業時間帯である10時〜17時頃に対して、11時30分と16時40分という2回のリセットが作業中に発生する構成になる。記事内ではこれを「作業時間帯に合わせて最適化されたセッション配置」と表現しており、スケジュールや作業パターンによって得られる効果は異なる。
また、消費トークンや残りウィンドウを可視化したい場合は、Claude Counterのような拡張機能の併用も推奨されている。
Claude ProとMax、各プランの位置づけ
この手法の価値を判断するうえで、プラン間の違いを把握しておくと参考になる。Anthropicの公式プラン比較によれば、Claude Proは月額20ドル、Claude Maxは月額100ドル(または200ドル)で提供されており、Max移行の主な動機のひとつが使用量制限の緩和だ。本記事で紹介する手法は、追加費用をかけずにProの制限内でより多くの作業をこなしたいユーザーに向けた工夫であり、Maxが提供するモデルアクセスや制限値そのものを代替するものではない点には留意が必要だ。
この手法の限界
効果的な方法ではあるが、万能ではない。
- 週単位のウィークリー制限は別途存在し、セッションを効率化しても超えると制限がかかる
- Claudeのピーク時間帯スロットリングの影響を受ける場合がある
- 定時で作業を始めるルーティンがある人向けの手法であり、不規則なスケジュールには向かない
- 捨てメッセージ分のトークン消費は避けられないため、有用なタスクと組み合わせて損失を最小化する工夫が前提となる
- 得られる効果はスケジュール設計と作業パターンに依存し、誰にでも一律に同じ効果が出るわけではない
それでも、追加費用ゼロで設定できるスケジューリング最適化として、Claude Proを使い切れていないと感じているユーザーには試す価値がある。
詳細はI doubled my Claude Pro usage without paying for Maxを参照していただきたい。