7月25日、NL Timesが「Dutch employers outside tech sector increasingly seek workers skilled in AI」と題した記事を公開した。オランダを含む欧州でテック業界以外の企業もAIスキルを持つ人材を求める求人が急増しており、その実態をIndeedのデータをもとに詳しく紹介している。
テック外からのAI人材需要が欧州全土で拡大
Indeedのデータによると、AIに関連する求人タイトルの数は2022年以降で4倍に増加した。注目すべきは、その増加がテック業界の内側だけに留まらないという点だ。
具体的な求人タイトルとして、AI Business Consultant、AI Sales Specialist、Projectleider AI-implementatie(AIプロジェクトマネージャー)といった職種が例として挙げられている。これらはいずれも、純粋なソフトウェア開発や研究職ではなく、AIを業務に組み込む側の人材を求めるポジションだ。
欧州においては近年、EU AI Actの施行により企業側のAI対応が義務化される領域が広がっており、技術職以外の部門でもAIリテラシーを持つ人材を確保する必要性が高まっている。こうした規制対応の文脈も、非テック業界からのAI人材需要を後押ししている背景として見逃せない。(※編集部の考察)
オランダはAI非テック求人の比率でヨーロッパトップクラス
国別のデータを見ると、オランダではAI関連求人タイトルの58%がテック業界以外から出ている。ドイツ・フランス・イギリスでも同様の傾向が見られ、スペインは他国に比べて低い水準に留まっている。
| 国 | テック外AI求人の比率 |
|---|---|
| オランダ | 58% |
| ドイツ | 記事記載値 |
| フランス | 記事記載値 |
| 英国 | 記事記載値 |
| スペイン | 36% |
※ドイツ・フランス・英国の具体的な数値については元記事を参照されたい。
求められているのは「AIを使える現場の人材」
企業が求める人材像は、AIを研究・開発する専門家ではなく、AIツールを日常業務に適用できる実務者だ。記事では以下のような職種が具体例として挙げられている。
- オンラインマーケター:AIをキャンペーン施策に活用できる人材
- SEO専門家:AIを用いてウェブサイトの検索露出を改善できる人材
- AIトレーナー:社内の同僚にAIツールの使い方を教えられる人材
- カスタマーサービス担当:AI活用経験が要件として求められるケースが増加
Indeed Benelux(ベルギー・オランダ・ルクセンブルク地域担当)のディレクター、Stan Snijdersはこのトレンドについて次のようにコメントしている。
「この動向は、AIがもはや専門家だけが使う技術ではなく、日常業務のツールとして広く認識されるようになったことを示している。企業は、自分の専門領域の中でAIを実践的に活用できる人材を探している。」
エンジニアにとっての意味
※以下は編集部の考察であり、元記事に明示された内容ではない。
エンジニア視点で見ると、このデータは採用市場の構造変化を示している。AI関連スキルの需要がテック部門の外へ広がるということは、エンジニアが社内の非テック部門と協業する機会が増えることを意味する。AIツールの導入支援、業務フローへの組み込み、社内トレーニングといった領域での需要が高まっていくと考えられる。
また「AIトレーナー」という職種が具体例として挙がっていることは、技術力よりも説明力・伝達力を評価する求人が増えつつあるサインでもある。自らの技術スキルをいかに非技術者に伝えられるかが、今後のエンジニアの市場価値を左右する要素の一つになりうる。
詳細はDutch employers outside tech sector increasingly seek workers skilled in AIを参照していただきたい。