7月23日、CNBCが「Intel's stock jumps 11% as chipmaker rides AI boom to fastest revenue growth in almost 15 years」と題した記事を公開した。長らく「負け組」と見られていたIntelが、AIインフラ需要を追い風に2011年以来約15年ぶりとなる最速の売上成長を達成し、株価が時間外取引で11%急騰した。NvidiaやAMDがAIチップ市場を席巻する中、なぜ今Intelが復調しているのか——その構図が今回の決算から浮かび上がる。
約15年ぶりの最速成長——数字が示す回復の実態
Intelが発表した2026年第2四半期の決算は、市場予想を大きく上回った。
- EPS(1株当たり利益): 42セント(調整後)→予想21セントの2倍
- 売上高: 161億ドル→予想144.2億ドルを超過
- 売上成長率: 前年同期比25%増——これは2011年第3四半期以来、四半期ベースで最速の伸びだ
株価は時間外取引で11%上昇した。なお2026年の年初来リターンはすでに170%を超えているが、7月単月では28%下落していた局面でのV字回復となる。
成長エンジンはデータセンター——PCはもはや脇役
事業別の内訳を見ると、成長の構図がはっきりする。
| セグメント | 売上高 | 前年比 |
|---|---|---|
| クライアント・コンピューティング(PC向け) | 89億ドル | +13% |
| データセンター | 63億ドル | +59% |
| ファウンドリ(受託製造) | 58億ドル | +31% |
Intel全体でまだ最大の事業はPC向けチップだが、成長の主役はデータセンターだ。AIサーバーに搭載されるプロセッサの需要が爆発的に増えており、Lip-Bu Tan CEOは「AIがコンピューティングへの未曾有の需要を生み出している」とコメントした。
粗利益率も**42%**に回復した。前年同期のわずか2.5%という異例の低水準からの劇的な改善だが、これは当時の大規模リストラや製造拠点の減損計上といった一時的費用が押し下げていた側面が大きい。今期は売上規模拡大による規模の経済と、より高マージンな製品へのシフトが寄与したとIntelは説明している。
「供給が需要に追いつかない」——長期契約に動く理由
CFOのDavid Zinsnerは、データセンター顧客からの需要が現在の生産能力を上回る「供給制約」の状態にあると認めた。この需給逼迫を受け、Intelは顧客との長期購買契約(LTA)を10件締結した。一部は価格を固定し、一部はチップの供給量を確約する形式だ。
AIブームがいつ冷めるか読めない中、高値での価格と市場シェアを確保しておこうという動きは、メモリ業界でも同様に広がっている。
ファウンドリ事業——最新プロセス「14A」は順調も、大口顧客は未公表
Intelは現在、自社チップの製造に加え、他社チップを受託製造する「ファウンドリ」事業への転換を積極的に進めている。TSMCやSamsungが支配するこの市場への参入は、Tan CEO体制が掲げる中長期的な収益基盤の柱だ。最新の製造プロセス「14A」は、同時期の旧世代プロセスと比較して開発が前倒しで進んでいるとZinsnerは述べた。
今週、ネットワークセキュリティ大手のFortinetがTan体制下で初めて名前が公表されたファウンドリ顧客となった。ただしFortinetが使うのは旧世代の製造技術であり、14Aを使う大口顧客の発表は引き続き市場が待ち続けている状況だ。
第3四半期ガイダンスも予想超え
Intelが示した第3四半期の見通しは以下の通り。
- 売上高: 158億〜168億ドル(中央値163億ドル)→ アナリスト予想151億ドルを上回る
- EPS: 38セント(調整後)→ 予想27セントを上回る
ただし、メモリ不足を理由にPC向け売上は横ばいを見込んでいる。来年に向けては設備投資を「意味のある規模で」積み増す方針も示した。
NvidiaがAIアクセラレータ市場を独占し、AMDがサーバーCPU・GPU両面で攻勢をかける中、Intelの今回の復調は単なる一時的な追い風ではなく、ファウンドリ転換と製品ラインアップの刷新が実を結び始めたことを示す可能性がある。Tan CEO就任後の構造改革の成否が、今後数四半期でより鮮明になってくるだろう。
詳細はIntel's stock jumps 11% as chipmaker rides AI boom to fastest revenue growth in almost 15 yearsを参照していただきたい。