7月21日、The Next Webが「OpenAI's agents hit 10 million users as ChatGPT Work push accelerates」と題した記事を公開した。この記事では、OpenAIのエージェント製品が週間アクティブユーザー1000万人を突破し、企業向け市場への浸透を加速させている状況を詳しく紹介している。
「1000万人」の中身を正確に読む
OpenAIは、エージェント製品の週間アクティブユーザーが1000万人を超えたと発表した。この数字が対象とするのは、同社が「エージェント」と位置付ける2製品——コーディングアシスタントの**Codexと、7月9日にローンチしたChatGPT Work**——の合算値だ。
ただし、この数字には注意が必要だ。エンタープライズシートや有料ユーザー数ではなく、あくまで週間アクティブユーザーの合算であり、さらに言えばOpenAI自身による自己申告値である。同社の使用状況に関する自己申告数字に対しては、過去にも懐疑的な見方が示されてきた経緯がある。
とはいえ、成長の曲線そのものは急勾配だ。Codexの週間ユーザーは5月末時点で500万人、7月12日に600万人、7月中旬に約800万人と推移しており、各閾値をOpenAIの幹部がリアルタイムで公表してきた。ChatGPT Workのリリースから2週間も経たないうちに1000万人に達した計算になる。
ChatGPT Workとは何をするものか
ChatGPT Workは「プロンプトに答えて終わり」ではなく、タスクを小さなステップに分解して実行し続けるエージェントだ。スプレッドシート、スライドデッキ、ドキュメント、簡単なWebアプリなどを生成しながら、1つのプロジェクトに数時間単位で取り組む。
SlackやGoogle Driveとの連携、定期タスクのスケジューリング、そしてOpenAIの**Computer Use**機能(AIがデスクトップソフトウェアをユーザーの代わりに操作する機能)を備える。
料金体系はCodexと同じ従量課金モデルだ。EnterpriseおよびEduプランでは管理者が支出上限の設定、利用可能ツールの制限、コンプライアンス用のアクティビティレビューを実施できる。
現在はPro・Enterprise・Eduサブスクライバー向けにローンチし、その後数日でPlusおよびBusinessプランにも展開された。
成長を後押しした要因
急成長の背景にはいくつかの要因がある。
- GPT-5.6のリリース効果:ChatGPT Workを動かすモデルGPT-5.6(OpenAIが2026年7月時点で提供するGPT-5系列のマイナーアップデート版)のリリース後、エージェントツール全体の使用量が約2.5倍に増加した。
- Sam Altmanによる利用上限の繰り返しの引き上げ:採用促進を目的に、上限緩和を繰り返し実施している。
- Codexの用途拡大:Codexユーザーの100万人超がソフトウェア開発以外の業務に活用しているとOpenAIは述べている。
ローンチ時に名前が挙がった初期顧客はZapier、RingCentral、Virgin Atlantic、Nvidiaで、財務チームが月次報告や予測業務の自動化に活用しているとされる。
競合との戦いと残された問い
市場はすでに混戦だ。GoogleはGmailを通じて指示を受け付ける常時稼働型アシスタントGemini Spark(Googleが2026年に投入した、Gmailや各種Workspaceアプリと深く統合するエージェント製品)を最近ローンチし、AnthropicもコーディングおよびワークプレースエージェントをPushしている。
「AIシステムが実際にタスクを完遂できる」という主張をめぐり、各社が同じ企業予算と同じIT意思決定者を取り合っている構図だ。
今回の数字が答えていないのは、この使用量が継続するか、そして収益に転換できるかという点だ。1000万人の週間ユーザーのうち有料プランに乗っているのが何人か、新モデルへの新鮮味が薄れた後も戻ってくるかは、この数字からは読み取れない。OpenAIは広告モデルのテストも並行して進めており、収益化の方向性はまだ固まっていない。
この数字は、OpenAIが市場を制したことの証明ではなく、レース中間地点での自己申告による「勢いの指標」として読むべきだろう。
詳細はOpenAI's agents hit 10 million users as ChatGPT Work push acceleratesを参照していただきたい。