7月20日、SiliconAngleが「Neo Security bags $100M to build the secure control layer for enterprise AI agents」と題した記事を公開した。この記事では、エンタープライズ向けAIエージェントのセキュリティ管理を手がけるNeo SecurityがシリーズAで1億ドルを調達し、ステルスモードから正式に姿を現したことについて詳しく紹介されている。以下にその内容を紹介する。
SentinelOne・Wiz出身チームが立ち上げた新カテゴリ
Neo Securityの創業メンバーは、SentinelOne、Wiz、Palo Alto Networksの元幹部・エンジニアで構成される。セキュリティ業界の"一線級"の実務者が揃っており、今回の調達ラウンドはAndreessen HorowitzとBessemer Venture Partnersが主導、Craft VenturesとMerlin Venturesも参加した。
CEOのNicholas Warner氏は、SentinelOneでPresident & COOを務めた経歴を持つ。同氏は次のように述べている。
「AIエージェントとエージェント機能は、ブラウザ、開発ツール、SaaSプラットフォーム、従来のアプリケーションへ埋め込まれつつある。ソフトウェアが自律的に推論し、ツールを呼び出し、有効なユーザー権限でワークフローを横断して動けるようになった」
つまり「普通のSaaSを使っているだけのつもりが、いつの間にかAIエージェントが自律動作している」という状況が、企業のセキュリティチームに新たな死角を生んでいる。
なぜ今これが問題になるのか
元記事が引用するGartnerのデータによれば、2025年末時点でエンタープライズアプリケーションのうちエージェント機能を持つものは5%に過ぎなかったが、2026年末には40%超に達する見込みだ。この急速な浸透が、従来型セキュリティツールとの間に大きなギャップを生んでいる。
既存のセキュリティシステムは「ソフトウェアが予測可能な挙動をする」という前提で設計されている。しかしAIエージェントは人間の行動を模倣し、ユーザーから継承した権限を使って動き、レガシーなセキュリティツールからは「正規の操作」に見える形でシステムを横断できる。SecOpsチームは承認済みアプリケーションの内側で動く自律ソフトウェアを監視・管理する手段を持っていない、というのが現状だ。
Neoが提供するコントロールレイヤーの構成
Neoのプラットフォームは、主に以下の機能で構成される。
- ソフトウェアインベントリ: 全AIエージェント、AI対応アプリ、プラグイン・拡張機能、MCPサーバー(Model Context Protocol:LLMとツール・データソース間の通信を標準化するプロトコル)、エージェント機能を組み込んだ従来型ソフトウェアを継続的に検出・記録する
- ケイパビリティ&リスクインテリジェンス: 各エージェントツールが何にアクセスでき、どう設定されているかを可視化する
- リアルタイムアトリビューション: 各エージェントの操作に監査証跡を残し、事後検証を可能にする
- グラニュラーなソフトウェアコントロール: グループまたはIDごとに、ツール呼び出し・APIアクセス・データ移動・エージェントワークフローへのポリシーを強制適用する
- ネイティブ実施制御: リスクのある動作や悪意のあるモデルをリアルタイムでブロックする
a16zのジェネラルパートナーZane Lackey氏は「アプリケーションにエージェント機能が追加されると、そのアプリの挙動、アクセス範囲、潜在的な被害が大きく変わる。Neoのチームはカテゴリを定義するセキュリティプラットフォームをすでに作り上げた経験を持つ」とコメントしている。
調達資金の用途と今後の展開
今回調達した1億ドルは、エンジニアリングチームとGo-to-Marketチームのスケールアップに充てる方針だ。AIエージェントのセキュリティ管理という市場は、現時点では確立されたカテゴリとは言えない。Neo Securityはそのカテゴリ自体を作りにいく立場にある。
SentinelOneやWizがそれぞれEDRおよびクラウドセキュリティという新カテゴリを切り開いてきたように、Neo Securityも「エージェントセキュリティ」という領域の定義者たらんとしている。創業チームがそうした先例を体現してきた当事者であることは、投資家・顧客双方にとって一定の説得力を持つだろう。
詳細はNeo Security bags $100M to build the secure control layer for enterprise AI agentsを参照していただきたい。