7月12日、StarupHub.aiが「Sergey Brin's AGI Bet: Coding Gemini After Years of 'Spiraling'」と題した記事を公開した。この記事では、Google共同創業者セルゲイ・ブリンが約6年の引退期間を経てGemini開発に実際のエンジニアとして復帰した経緯と背景について詳しく紹介されている。
「螺旋状に落ちていく感覚」——引退は失敗だったと語るブリン
2025年12月、セルゲイ・ブリン(52歳)はFortuneのインタビューで、約6年間の引退生活について「spiraling(螺旋状に落ちていく)」「少し頭が鈍くなった」と表現し、「あのまま離れていたら大きな間違いだった」と語った。
ブリンとラリー・ペイジがAlphabetを去ったのは2019年12月3日のこと。公式には「個人プロジェクトや慈善活動に集中したい」という説明だったが、実態として経営の全権はサンダー・ピチャイに移った。
その後の6年間、GoogleはGPT系モデルの台頭に押される形でAI戦略の見直しを迫られ、Geminiの開発に莫大なリソースを投入するフェーズに突入する。ブリン自身は、この時期に自分が現場を離れていたことを明確に後悔している。
創業者が「顧問」ではなく「プログラマー」として戻ってきた
単なる精神的な復帰ではない点が重要だ。2026年2月、GeminiプロジェクトをリードするGoogleの幹部は、ブリンとラリー・ペイジの両者をGemini開発への「積極的な貢献者」と表現した。肩書きは顧問(advisor)ではなく、プログラマー(programmer)だ。
ここでラリー・ペイジについても補足しておく。ペイジはブリンとともに1998年にGoogleを共同創業し、2015年にAlphabetのCEOに就任、2019年末にブリンと同時期に退任した人物だ。元記事によれば、ペイジもGemini開発への積極的な貢献者として名前が挙がっているが、記事の主軸はブリンの復帰と発言に置かれており、ペイジの具体的な関与の内容については詳細が語られていない。
大企業に一度引退した創業者が「コーダー」として戻ってくるケースは極めて珍しい。Appleにおけるスティーブ・ジョブズの復帰が歴史的に有名だが、AIモデルの開発という高度に専門化された領域への直接参加という点で、今回の事例はそれとも異なる性格を持つ。
Google I/O 2025への電撃登場とAGI宣言
復帰の象徴的な場面は、2025年のGoogle I/Oにある。ブリンはスケジュール外でステージに現れ、「GoogleがAGI(汎用人工知能)を世界で初めて構築する」と宣言した。
AGI(Artificial General Intelligence)とは、特定のタスクに限定されず、人間と同様に幅広い知的作業をこなせるAIを指す。現在の大規模言語モデル(LLM)がAGIに該当するかどうかについては、2026年7月時点でも業界内で見解が分かれており、明確なコンセンサスは存在しない。OpenAI、Anthropic、Meta、Googleがそれぞれ異なるアプローチで開発を進める中、ブリン自らがその旗を掲げた形だ。
Alphabetの資本投資サイクルとの連動
記事は、ブリンの現場復帰がAlphabetとして最もアグレッシブな資本投資サイクルと時期を同じくしていると指摘する。
1998年にラリー・ペイジとGoogleを共同創業したブリンは、2015年からAlphabetの社長を務め、2019年末に退任した。それから約5年を経て、生成AIが産業構造を塗り替えようとしている今、創業者が再びコードを書く立場で戻ってきた。Geminiは現在も継続的にバージョンアップが重ねられており、Google DeepMindが中心となって開発を進めているモデルだが、元記事の時点で最新バージョンの詳細には言及がない。
ブリンの復帰が今後のGemini開発にどう影響するかについては、元記事には直接的な言及はない。ただ、「創業者がプログラマーとして現場に立つ」という事実は、Googleの社内文化やAI開発の優先順位について、外部のエンジニアや研究者に向けたシグナルとして機能しうるだろう。※これは編集部の考察であり、元記事の記述に基づくものではない。
詳細はSergey Brin's AGI Bet: Coding Gemini After Years of 'Spiraling'を参照していただきたい。