7月11日、Wiredが「AI Found a Root Bug in Linux That Everyone Missed for 15 Years」と題した記事を公開した。同記事はWiredが毎週配信しているセキュリティニュースの週次まとめ(weekly security roundup)であり、今週のメイントピックとして、AIを使った脆弱性探索ツールが15年間見逃されてきたLinuxカーネルのroot権限昇格バグを発見した件を取り上げている。本稿ではその内容を紹介する。
AIが発見した15年間のLinux脆弱性
AIを活用した脆弱性探索ツールが、Linuxカーネルに15年間潜伏していたuse-after-free脆弱性を新たに特定した。パッチが当たっていないマシンではログイン済みのユーザーが誰でもroot権限を取得できる深刻な欠陥だ。
use-after-freeとは、解放済みのメモリ領域に引き続きアクセスすることで、意図しない動作やコード実行を引き起こすメモリ管理上の欠陥だ。Linuxカーネルではこのクラスのバグが過去にも多数報告されており、権限昇格の温床として知られている。
この脆弱性は2011年以降、実質的にすべての主要Linuxディストリビューションにデフォルトで含まれていた。特別なパーミッションもネットワークアクセスも不要で、コンテナ(DockerやKubernetes等の隔離環境)からの脱出も確認されている。公開されたexploitコードの成功率は97%に達しており、GoogleのkernelCTFプログラム(Googleがカーネル脆弱性の発見に報奨金を出す制度)を通じて9万2,337ドルの報奨金が支払われた。
パッチ自体は2025年4月に公開済みだが、適用状況はディストリビューションによってばらつきがある。2025年7月初旬時点でUbuntu 24.04、22.04、20.04 LTSはいずれも「vulnerable(脆弱)」または「修正パッケージ対応中」の状態が続いており、パッチが自動適用されていると思い込まず、実際に修正済みパッケージが導入されているかを個別に確認する必要がある。
発見の立役者はAI駆動の脆弱性探索ツール
今回の発見で特筆すべき点は、このバグをAI駆動のバグハンティングツールが見つけたことだ。同ツールは長年ほとんど誰も読み返していなかった古いカーネルコードを自動解析することで脆弱性を特定した。
記事によれば、今回の件は2026年に入ってから自動化ツールが炙り出したLinux権限昇格バグの波の一部だという。人間のコードレビューが現実的に追いつかない規模の古いコードベースに対して、AIを活用した脆弱性探索が実際の成果を上げてきていることを示す事例であり、セキュリティリサーチの手法が変わりつつあることを如実に示している。
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ペンタゴンが未経験者向けサイバー見習いプログラムを開始
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詳細はAI Found a Root Bug in Linux That Everyone Missed for 15 Yearsを参照していただきたい。