7月3日、Dataconomyが「OpenAI proposes government stakes in federally backed AI companies」と題した記事を公開した。OpenAIのサム・アルトマンCEOが米政府に対し、OpenAIを含む主要AI企業の株式5%を付与する提案を行ったという内容だ。
AIブームの利益を「公共」へ——OpenAIが政府への5%株式付与を提案
Financial Timesの報道によれば、アルトマンは米政府との間で政治的な障壁を取り除くための交渉を進めており、その一環としてOpenAIの株式5%を政府に付与する案を提示した。
この提案はOpenAI単独のものではなく、Google、Anthropic、xAI、Metaといった主要AI企業にも同様の条件を求める形で設計されている。連邦政府の支援を受けるAI企業全体に対して、5%の株式拠出を義務付けるという枠組みだ。
さらにアルトマンらは、アラスカ恒久基金(Alaska Permanent Fund)のようなソブリン・ウェルス・ファンド(国家が運用する政府系ファンド)にも同様の5%エクイティを提供する案を示した。アラスカ恒久基金はアラスカ州の石油収益を原資とし、州民に配当を分配する仕組みで知られる。AIの収益を「公共の利益」として還元するモデルを意識した提案といえる。
背景:規制強化の圧力と、AIモデルへのアクセス制限
この提案が出た背景には、トランプ政権下でAI企業への規制圧力が高まっているという事情がある。元記事によれば、以下のような動きが報告されている。
- Anthropicは、トランプ政権の命令を受け、サイバーセキュリティ向けの特定モデルへのアクセスをいったん遮断し、最近になってようやく復旧した。
- OpenAIは、特定のGPTモデルの限定プレビューを、政権が承認したパートナーにのみ提供することを余儀なくされた。
※上記モデルの具体的な名称・バージョン表記については、元記事の原文を直接ご確認いただきたい。
2026年6月には、トランプ前大統領が最強クラスのAIモデルを公開30日前に政府へ自主的に提出することを義務付ける大統領令に署名した。ただし「自主的」であり、当初より規制水準は後退した形だ。トランプ政権の盟友や国連からも、より厳しいAI規制を求める声が上がっている。
Intelの先例:政府保有株が企業評価額を押し上げた
Financial Timesは、類似するケースとしてIntelを挙げている。トランプ政権がIntelの株式**10%**を取得した際、同社の評価額が大幅に上昇したとされる。OpenAIの提案はこの先例を踏まえたものとみられ、政府への株式付与が政治的なリスクヘッジにとどまらず、企業価値にもプラスに働く可能性を織り込んでいる。
なお、Intelへの政府出資をめぐる経緯については、Financial Timesの関連報道も参照されたい。元記事でもこのIntelの事例が根拠として引用されており、今回の提案の妥当性を裏付ける文脈として位置づけられている。
※政府がAI企業の大株主となる構造については、規制の中立性や利益相反の観点から今後議論を呼ぶ可能性がある。(※編集部の考察)
実現への道筋はまだ遠い
OpenAIと米政府の協議は現時点でも初期段階にある。仮に合意に達したとしても、実行には議会の承認が必要であり、制度化までには相当の時間がかかる見通しだ。
今回の提案が、AI産業と政府との関係を根本から変えうる制度的な枠組みに発展するのか、それとも交渉過程での暫定的な提案にとどまるのか——協議の行方が注目される。
詳細はOpenAI proposes government stakes in federally backed AI companiesを参照していただきたい。