7月4日、Matthias Bastianが「Microsoft follows Anthropic and OpenAI into the AI super app race with overhauled Copilot and AutoPilot agents」と題した記事を公開した。MicrosoftがCopilotを大幅刷新し、AutoPilotエージェントを統合した「AIスーパーアプリ」競争に参入する計画について詳しく伝えている。
CopilotをAIスーパーアプリへ——8月リリース予定の全面刷新
The Informationが入手した社内メモによると、Microsoftは8月にCopilotの大規模リニューアル版をリリースする計画だ。最大の変更点は、これまで別々に提供されてきたコンシューマー向けアプリとエンタープライズ向けアプリを単一アプリへ統合する点にある。
新しいCopilotには、AIコーディングツールと「AutoPilot」と呼ばれる新しいAIエージェントが含まれる。ここで言う「AIコーディングツール」はGitHubに統合されているGitHub Copilotとは別に、Copilotアプリ本体に組み込まれるコーディング支援機能を指すとみられる(※編集部の考察)。AutoPilotはスケジュール管理やメールの要約といったタスクをバックグラウンドで処理するもので、これらの追加機能は有料オプションとして提供される。
「存在する権利を稼げ」——副社長の厳しいメモ
社内メモを執筆したのは、エグゼクティブバイスプレジデントのJacob Andreou氏だ。その内容は率直で、チームは「機能していなかったものを削ぎ落とした」と明記している。具体的には、Copilot PodcastsやCopilot Labsといった実験的機能が廃止対象となった。
Andreou氏はCopilotについて、「知性のための知性」を追うのではなく、「成果に最適化」された「リアルな仕事」に集中すべきだと強調している。そして「アプリは存在する権利を稼がなければならない(earn the right to exist)」とまで書いている。原文の "earn the right to exist" というフレーズは、存在を所与のものとせず、実際の成果によって正当化せよという意味合いで、AI製品が膨張しがちな昨今において、これほど明確な選択と集中の方針をメモに記したのは、社内の危機感の表れとも読める。
AnthropicとOpenAIも同じ道を走っている
「AIスーパーアプリ」という構想はMicrosoft固有のものではない。AnthropicはClaude CodeをすべてのProサブスクライバーに開放しており、OpenAIはCodexをChatGPTのスーパーアプリ化の一環として展開している。コーディング支援を核に、エージェント機能を統合した「何でもできる一つのアプリ」を目指すアプローチは、主要AI企業の共通戦略になりつつある。
チャットボットだけでは不十分——エンジニアを企業内に派遣
今回のCopilot刷新と並行し、Microsoftはもう一つの動きを見せている。企業内にAIを展開することに特化した新会社を設立し、Microsoftのエンジニアが企業の各部門に直接入り込んでAIをワークフローに組み込む支援を行うというものだ。
これは、チャットボット単体では価値提供に限界があるという現実を事実上認めたものだ。AnthropicやOpenAIを含むAI各社は、依然として巨額のAI投資を正当化するという課題に直面しており、MicrosoftのこのアプローチはROI(投資対効果)の可視化を狙った戦略的な手であると言える。
詳細はMicrosoft follows Anthropic and OpenAI into the AI super app race with overhauled Copilot and AutoPilot agentsを参照していただきたい。