7月1日、Dataconomyが「ChatGPT Plus users can now connect financial accounts」と題した記事を公開した。OpenAIが2026年6月30日より米国のChatGPT Plusユーザー向けに個人金融機能のロールアウトを開始したことを報じている。ユーザー自身が銀行口座やクレジットカードをChatGPTに接続し、実際の収支データをもとに家計の質問ができるようになる。なお、本機能は現時点で米国のみ対象であり、日本を含む他の地域では未提供である。
ChatGPTが個人の金融データと連携する仕組み
OpenAIが今回提供を開始した個人金融機能では、ユーザーの同意と口座認証を前提として、実際の収支データをChatGPTに読み込ませることができる。「銀行口座を読む」という表現が一人歩きしやすいが、正確にはユーザー自身が明示的に同意した上で、Plaid経由で口座情報を連携するという設計だ。ChatGPTが自動的・一方的にデータを取得するわけではなく、接続・切断のコントロールは常にユーザー側に置かれている。
対象プランと展開状況
これまでこの機能は月額100ドルのProプラン向けに提供されていたが、今回の変更により月額20ドルのPlusプランでも利用可能になった。値下げというより、より広いユーザー層への機能展開という位置づけだ。
ただし、現時点ではOpenAIが「実際の利用から知見を得るため」として機能へのアクセスを一部ユーザーに限定している段階だ。全Plusユーザーへの展開時期は明示されていない。
口座連携の仕組み:Plaidを経由
接続フローは以下のとおりだ。
- ChatGPTのサイドバーから「Finances」を選択、または
@Finances, connect my accountsとチャットで入力 - **Plaid**(金融データ集約サービス)経由で口座認証を完了
- 認証後、数分でデータの同期・カテゴライズが完了
Plaidは米国のフィンテック業界で広く採用されているインフラで、銀行口座やクレジットカードのデータを暗号化された通信で安全に第三者アプリへ橋渡しする役割を担う。ユーザーがPlaid上で認証を完了させることで、ChatGPTは口座情報に一時的にアクセスできるようになる仕組みだ。
今後はIntuitのサポートも予定されている。Intuitは米国の大手フィンテック企業で、確定申告支援ツール「TurboTax」や中小企業向け会計ソフト「QuickBooks」、個人向け家計管理サービス「Mint」(現在はCredit Karmaに統合)などを手がけている。Intuitとの連携が実現すれば、税務データや事業収支との連動も視野に入る。
ダッシュボードで見えるもの
接続後のダッシュボードには以下の情報がリアルタイムで表示される。
- 支出の内訳
- サブスクリプションの一覧
- 今後の支払い予定
- ポートフォリオのパフォーマンス
さらに、ユーザーが財務目標を設定しておくと、ChatGPTが会話の中でその目標を考慮した回答を返す。「来月の旅行費用を捻出するにはどこを削ればいいか」といった質問に、自分の実データをもとに答えてくれる形だ。
データ管理とプライバシー
OpenAIは公式に次のコメントを出している。
"Now you can securely connect your financial accounts, see a dashboard of where your money is going, and ask ChatGPT questions grounded in your financial context – all while staying in control of your data."
金融データはいつでも削除可能で、ChatGPTのメモリから財務情報を除去するコントロールも提供される。また、プライベートチャット(履歴が保存されず学習にも使用されないモード)は個人金融データとは切り離して管理されるとされている。Plaid経由の口座連携も、ユーザーがいつでも接続を解除できる設計となっている。
背景:AIアシスタントの金融サービス進出
AIアシスタントが家計管理ツールとして機能するコンセプト自体は以前から存在したが、これまでは主にスプレッドシートや専用家計簿アプリ(Mintなど)が担ってきた領域だ。今回のアップデートは、汎用チャットAIが実際の口座データと直接連携するという点で、従来のアプローチとは異なる段階に踏み込んでいる。
なお、元記事では今回の個人金融ツール追加と並行して、OpenAIが複数のアップデートを展開していることにも触れている。GPT-5.5の能力強化およびCodex(OpenAIのコーディングエージェント)の新機能追加がその一例として挙げられており、個人金融機能はこれら一連のプロダクト拡充の一環として位置づけられている。
詳細はChatGPT Plus users can now connect financial accountsを参照していただきたい。