7月1日、Daniel Leviが「Microsoft plans to lay off thousands as AI spending reshapes its workforce」と題した記事を公開した。MicrosoftがAI投資拡大に伴う組織再編の一環として数千人規模のレイオフを計画しており、削減対象がエンジニアリング職ではなくセールス・コンサルティング部門に集中するという点が業界内で注目を集めている。
全従業員の2.5%未満、それでも数千人規模
Business Insiderが事情に詳しい複数の関係者の話として報じたところによると、Microsoftは全世界の従業員の2.5%未満を削減する計画で、発表は早ければ来週にも行われる見込みだ。
Microsoftの最新の米SEC(Securities and Exchange Commission:米国証券取引委員会)への年次報告書によると、同社は2025年6月30日時点で約22万8,000人のフルタイム従業員を抱えている。2.5%未満という数字でも、単純計算で5,700人前後が対象になりうる。
削減の対象となるのは、セールス部門、コンサルティング部門、そしてXboxゲーミング部門。Business Insiderは「今回の規模は昨年の同様のレイオフより小さい見込み」とも伝えている。
Microsoftはこの報道に対してコメントを拒否した。
1年足らずで2度目の大規模削減
今回の動きは、Microsoftにとって約1年以内の2度目の大規模なレイオフとなる。2025年7月、同社は全従業員の約**4%**を削減すると発表しており、これは近年で最大規模のレイオフの一つだった。
Xboxを巡っては今月、Bloombergが「コンソール価格の世界的な値上げを背景に、マーケティングなど複数の予算削減とともに大規模な人員削減を準備中」と報道。さらにThe Informationは、MicrosoftがXboxの完全子会社化やスピンオフ(※)を含む戦略的オプションを検討中であると伝えている。
※スピンオフとは、親会社が特定の事業部門を切り出して独立した別会社として分離する手法。株主に新会社の株式を分配するケースが多く、事業の選択と集中を図る際に用いられる。Xboxがスピンオフされた場合、Microsoft本体から独立したゲーミング専業企業となる可能性がある。
AI投資が雇用を「置き換える」構図
今回のレイオフの背景にあるのは、AIインフラへの巨額投資だ。Microsoftは先進的なAIモデルやクラウドサービスを支えるインフラに引き続き重点投資しており、リソースをその長期戦略に集中させるべく組織を再編している。OpenAIへの大規模出資やAzure AI基盤の拡充がその代表例であり、こうした投資を維持・拡大するためのコスト構造の見直しが今回の人員削減につながっていると見られる。
同様の動きはBig Tech全体で加速している。
- Meta:今年、全従業員の約**10%**削減を発表済み
- Amazon:コスト削減策の一環として、世界で約1万6,000人の削減計画を公表
AIデータセンターや専用チップへの投資を続けながら、一方で一般管理部門やセールス人員を絞り込む——この「AIシフトによる雇用の再配分」はテック業界の構造的なトレンドになりつつある。
エンジニアリング職への示唆
エンジニアにとって示唆深いのは、削減対象がエンジニアリング職よりもセールスやコンサルティングといった非技術職に集中している点だ。AIによる自動化や効率化が進む領域から人員を引き上げ、AI基盤の構築に振り向けるという判断が透けて見える。
ただし、元記事はエンジニアリング職の削減を「明示的に否定」しているわけではなく、あくまで今回の削減の重点がセールス・コンサル寄りであるという報道に基づく。エンジニアリング職が完全に対象外かどうかは、Microsoftの公式発表を待つ必要がある。
※編集部の考察:こうした「非技術職への集中的削減」の構図は、AIツールが営業支援・顧客対応・コンサルティング業務を部分代替し始めていることの反映とも読める。テック企業がAI活用で内部効率化を実現しつつある分野から順に、ヘッドカウントを圧縮していくパターンは今後も続く可能性がある。
詳細はMicrosoft plans to lay off thousands as AI spending reshapes its workforceを参照していただきたい。