2月3日、Mozillaが「AI controls is coming to Firefox」と題した記事を公開した。この記事では、Firefox 148にて実装される、ブラウザ内の生成AI機能を一元的に管理・遮断するための新機能について詳しく紹介されている。

以下に、その内容を紹介する。
背景:コミュニティの反発と「キルスイッチ」の約束
今回の機能追加は、Mozillaが2025年末に掲げた「モダンなAIブラウザへの進化」という方針に対する、ユーザーコミュニティからの強い反発を背景としている。
プライバシーやシンプルさを重視するユーザー層からは、「AIの強制導入はFirefoxの独自性を損なう」といった批判がRedditやMastodonを中心に噴出した。これを受け、MozillaのCEOであるアンソニー・エンツォ=デミオ氏は、ユーザーがAI機能を完全に制御できる「キルスイッチ」の搭載を公約していた。今回の発表は、その公約が具体化したものとして、コミュニティからは「懸念に対する賢明な対応」として好意的に受け止められている(参照:Thurrott.com, Reddit)。
「AI制御機能」で提供される具体的な選択肢
2月24日リリース予定のFirefox 148から導入される「AI controls」セクションでは、以下の5つの主要機能を個別にオン・オフすることが可能となる。
- Translations(翻訳): ローカルデバイス上での処理を優先した翻訳機能。
- Alt text in PDFs(PDFの代替テキスト): PDF内の画像にAIが説明文を付与するアクセシビリティ機能。
- AI-enhanced tab grouping(AIによるタブグループ化): 関連タブの自動分類とグループ名の提案。
- Link previews(リンクプレビュー): リンク先の内容を事前に要約・表示する機能。
- AI chatbot in the sidebar(サイドバーのAIチャットボット): ChatGPT、Google Gemini、Claude等のチャットボットをサイドバーで利用できる機能。
「Block AI enhancements」による完全な遮断
本機能の核心は、「Block AI enhancements(AI拡張をブロック)」という一括無効化オプションの導入にある。
この設定を有効化することで、現在実装されている機能のみならず、将来的に追加されるAI機能についても、通知やプロンプトを含めてすべて遮断される。この仕様は「一度オフにしたはずが、アップデートで復活する」といったユーザーの不安を解消するものであり、ネット上では「待ち望んでいた機能だ」と評価する声が上がっている。

FirefoxのAI制御機能の設定画面。
まとめ
競合他社がブラウザへのAI統合を加速させる中、Mozillaは「AIを拒否する権利」を明示的に提供することで、既存ユーザーの信頼維持を図っている。AI技術を有用と考えるユーザーには機能を提供しつつ、それを望まないユーザーには干渉しないという「共存」の姿勢を明確にした形だ。
詳細はAI controls is coming to Firefoxを参照していただきたい。