1月17日、The Cloudflare Blogで「Astro is joining Cloudflare」と題した記事が公開された。この記事では、Webフレームワーク「Astro」を開発するThe Astro Technology CompanyがCloudflareに加わったこと、および次期メジャーバージョンであるAstro 6の展望について詳しく紹介されている。

以下に、その内容を簡潔にまとめて紹介する。
CloudflareによるAstroチームの買収
Astro Webフレームワークの開発元であるThe Astro Technology Companyが、Cloudflareの一員となった。Astroは、PorscheやIKEAといったグローバルブランドから、OpenAIのようなAI企業まで、幅広く採用されているフレームワークである。Cloudflare自身も、開発者ドキュメントや公式サイトの構築にAstroを活用している。
今回の合流により、CloudflareはAstroを「コンテンツ駆動型Webサイトのための最高のフレームワーク」として継続的に発展させる姿勢を鮮明にした。
Astroの今後の方針
買収後も、Astroのプロジェクト運営に関する基本的な方針に変更はない。主なポイントは以下の通りである。
- オープンソースの維持: Astroは引き続きMITライセンスの下でオープンソースとして公開され、公開ロードマップとオープンなガバナンス体制が維持される。
- チームの継続: The Astro Technology Companyの全従業員はCloudflareに移籍し、引き続きAstroの開発に従事する。
- ポータビリティの確保: Astroは特定のプラットフォームに依存せず、あらゆるクラウドやプラットフォームで動作するという基本原則を維持する。
- エコシステムの支援: Netlify、Webflow、Sentryといった業界パートナーと共に、Astro Ecosystem Fundを通じてオープンソースへの貢献を支援し続ける。
Astroが支持される理由と設計原則
多くのフレームワークが存在する中でAstroが急速な成長を遂げている背景には、特定のユースケースに特化した5つの設計原則がある。
- コンテンツ駆動 (Content-driven): コンテンツを最大限に引き立てる設計。
- サーバーファースト (Server-first): サーバー側でHTMLをレンダリングすることで高速化を実現。
- デフォルトで高速 (Fast by default): 開発者が意識せずとも低速なサイトにならない仕組みの提供。
- 使いやすさ (Easy to use): 専門知識がなくとも構築が可能。
- 開発者重視 (Developer-focused): 開発者の成功に必要なリソースの提供。
また、Astro独自の「アイランド・アーキテクチャ(Islands Architecture)」により、ページの大半を静的なHTMLとして保持しつつ、必要な部分だけをインタラクティブなコンポーネントとして動作させることが可能だ。これにより、React、Vue、Svelteといった異なるフレームワークを同一ページ内で併用することもできる。
Astro 6 の主な新機能
次期メジャーアップデートである「Astro 6」のパブリックベータ版も同じタイミングで公開された。主なアップデート内容は以下の通りである。
- Vite Environments APIベースの新開発サーバー:
astro dev実行時に、本番環境と同じランタイムでコードを動作させることが可能になる。例えばCloudflare Viteプラグインを使用する場合、ローカルでworkerd(Cloudflare Workersのランタイム)が動作し、D1やKVなどのバインディングを直接利用できる。 - Live Content Collectionsの安定版昇格:
サイトの再構築を伴わずにデータをリアルタイムで更新できる機能が正式版となる。 - Content Security Policy (CSP) の第一級サポート:
ユーザーからの要望が最も多かった、セキュリティポリシーのネイティブサポートが追加される。 - その他の改善:
APIの簡素化やZod 4へのアップグレードなどが含まれる。
最新版を試す場合は、以下のコマンドで新規プロジェクトの作成、または既存プロジェクトのアップグレードが可能だ。
# 新規プロジェクトの作成(ベータ版指定)
npm create astro@latest -- --ref next
# 既存プロジェクトのアップグレード
npx @astrojs/upgrade beta
詳細は「Astro is joining Cloudflare」を参照していただきたい。