なぜC++からRustへ移行したか (生成AI時代の開発体験)
BRANK

まとめC++は統合されたパッケージシステムが弱く, 依存関係の管理と成果の再利用が難しい.Rustはcargoを中心に成果をcrateとして分割・共有しやすく, エコシステムを協力して育てやすい.Python/Julia/Fortranから呼び出す用途では, RustはC-API経由で連携しやすく, バックエンドをメモリ安全に保ちやすい.生成AI支援を前提にすると, Rustの学習コストや設計変更時の修正負担を下げられる.Rustは堅牢な基盤実装, Juliaは試行錯誤に向き, C-FFIを介して組み合わせるとよい.まえがき前回の記事 C++を使った数値計算ライブラリの整備で辛かったこと の続編である. C++で開発していた libsparseir をRustへ移行した. その経験を基に, なぜC++からRustへ移行したかを述べる.背景libsparseirはPython, Juliaで書かれた前身のライブラリ (sparse-ir, SparseIR.jl) をC++で実装したものである. C++はABI互換性がないため, 他の言語からの利用は困難である. そこでC-FFIのみを公開し, 他言語からの利用を可能にした. これによりsparse-irやSparseIR.jlのバックエンドを統一し, メンテナンスコストを削減することを狙った.しかし前回記事に書いたような理由で, 標準的なパッケージマネ…

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