医療業界で突然LLMを使ってくれと言われたら
ARANK
はじめに「うちの病院でも生成AIを活用したい」「電子カルテの要約をAIでできないか」医療機関のDX推進担当者や、外部のシステム開発者がこのような相談を受けることが増えています。しかし医療分野でLLMを活用する場合、一般的なWebサービスとは異なる厳格なデータの要件があります。本記事では、2025年12月時点で日本国内の医療機関がLLMを本番利用する際に知っておくべき、規制要件とクラウドプロバイダーの選択肢について、網羅的に解説します。ちなみに私は元医師で、現在株式会社LivetoonでCTOとしてAI開発をしている長嶋と申します。また東大病院循環器内科にも所属しており、医療AI開発に携わっております。 情報は2025年12月時点のものであり、今後変更される可能性があります。またベンダー側のドキュメントも新旧入り乱れており、下記情報が完璧に正確である保証はいたしません。実装時には自身で確認することを推奨します。1. 3省2ガイドラインとは?概要医療業界でLLMを利用する前に、まず理解すべきなのが3省2ガイドラインです。項目内容正式名称厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」+ 経済産業省・総務省「医療情報を取り扱う情報…