12月3日、Anthropicが「Anthropic acquires Bun as Claude Code reaches $1B milestone」と題した記事を公開した。この記事では、同社がJavaScriptランタイム「Bun」を買収し、Claude Codeの急成長をさらに加速させようとする戦略について詳しく紹介されている。以下に、その内容を紹介する。
Claude Code、公開6か月で年換算10億ドルの到達
Anthropicは、エンジニアや企業向けのAIモデルとしてClaudeを展開しているが、特にソフトウェア開発を対象とした「Claude Code」が急速に普及している。2025年5月の一般公開からわずか半年で、ランレートベースの収益が10億ドルに到達したという。
同社はこの成長を支える基盤技術として、JavaScriptランタイム「Bun」の買収を正式に発表した。
Bun買収の狙い：高速性・安定性・開発体験の強化
Bunは2021年にJarred Sumner氏が立ち上げた高速JavaScriptランタイムであり、既存の競合より圧倒的に高速だと評価されている。
特徴は以下の通りだ。
- オールインワン構成（ランタイム、パッケージマネージャ、バンドラ、テストランナーを統合）
- 高い速度・安定性
- JavaScript/TypeScript開発者体験の向上
Anthropicによれば、Claude Codeの基盤拡張でもBunとの密接な協力が続いており、最近公開されたClaude CodeのネイティブインストーラもBunが深く関わっているという。
Anthropicが評価する「Bunの視点」
AnthropicのChief Product OfficerであるMike Krieger氏は次のように述べている。
「Bunは、我々がAnthropicに取り込みたい技術的卓越性そのものだ。Jarred氏らはJavaScriptツールチェーン全体をゼロから再考し、実用的なユースケースに集中してきた。Claude Codeが6カ月で10億ドル規模に到達した背景には、こうした基盤技術の存在がある。」
また、Bunは月間700万以上のダウンロード、GitHubで8.2万以上のスターを集めており、MidjourneyやLovableといった企業にも採用されている。
今後の展開：Bunはオープンソースのまま継続
Anthropicは、「戦略的かつ技術的価値の高い領域」に限定して買収を進めていると述べている。
今回のBun買収もその一環であり、次世代ソフトウェア基盤の構築に向けた長期的な投資と位置づけられている。
なお、Bunは今後もMITライセンスのオープンソースとして公開が続けられる予定だ。
JavaScript/TypeScriptランタイム、バンドラ、パッケージマネージャ、テストランナーとして、Bunに対する継続的な投資も行われるという。
まとめ
AnthropicによるBun買収は、Claude Codeの急成長を背景に、AI時代のソフトウェア開発の基盤強化を狙う動きだと言える。超高速ランタイムBunが組み込まれることで、Claude Codeはさらに高速・安定・高機能な「AI開発プラットフォーム」へと進化するだろう。
詳細はAnthropic acquires Bun as Claude Code reaches $1B milestoneを参照していただきたい。
